睡眠不足の弊害
睡眠不足は心身の健康や学力に影響を与えると考えられます。
解説
睡眠不足と肥満
ヒューストンの公立校で行われた調査によると中高生の睡眠時間が1時間短くなると肥満の確率が80%増大するそうです。
インスリンの感受性や耐糖能は肥満の程度に影響します。
インスリンの感受性や耐糖能を正常に保つためには、ノンレム睡眠の影響が大きいと考えられます。
子供は大人より一晩のノンレム睡眠の割合が大きい傾向があります。
子供は大人よりも睡眠の質によって肥満になるかならないかの影響が大きいことが考えられます。
睡眠不足と処理能力
6時間未満の睡眠を2週間以上続けると、48時間一睡もしていないときと同じ判断力なると言われています。
加えて厄介なのが、判断力がそこまで落ちていることを本人は自覚していない点です。
慢性的な睡眠不足はその状態が当たり前になってしまうため、自分のパフォーマンスが低下していることに気づきにくいのです。
またテル・アヴィヴ大学のアヴィ・サデーが小学校4~6年生を対象にした調査によると、睡眠時間が1時間短くなることで生じる学力差は、4年生と6年生の学力差に相当するということでした。
睡眠不足と鬱症状
ケンタッキー大学の調査によると、高校生の場合、睡眠時間が8時間未満になると臨床的うつ病のリスクが倍になるそうです。
「臨床的うつ病」とは治療を要するような本格的なうつ症状を指します。
睡眠不足は子供の学力や体型だけでなく、精神面にも影響が表れるようです。
参考資料
ポー・ブロンソン、アシュリー・メイリーマン『間違いだらけの子育て』インターシフト、2011年
・『眠れていますか? 各年齢別のベストな「睡眠時間」がありました』(HuffPost)2017年7月29日検索
・『平成23年社会生活基本調査』(総務省)2017年7月29日検索
『ライフスタイルと小児肥満』(2010)(昭和大学学士会)2024年5月29日検索