子供の睡眠の特徴と大切さ
睡眠は誰にとっても重要ですが、子供の成長には特に重要です。
また、子供の睡眠と大人の睡眠はその性質がやや異なっており、これらの違いを知ることも子育てにおいては重要でしょう。
解説
睡眠の概要
人間の睡眠は主にノンレム睡眠とレム睡眠に分かれます。
ノンレム睡眠とレム睡眠は一晩に交互に現れます。
ノンレム睡眠のほうが先に現れます。
人間は睡眠中にその日のできごとの整理や記憶を行います。
ノンレム睡眠のときには新しい知識や言葉の記憶を整理すると考えられています。
レム睡眠のときには感情的な記憶の整理をすると考えられています。
このことから、ノンレム睡眠が学習効率に大きく影響していることが想像できるでしょう。
人が夢をみるのは主にレム睡眠のときと考えられています。
これは先ほどの感情の記憶を整理しているが故の現象と考えることができます。
子供の睡眠の特徴
子供の睡眠時間の40%はノンレム睡眠と考えられています。
たとえば高齢者になるとノンレム睡眠の割合は子供の10分の1まで少なくなると言われています。
子供の睡眠が大人以上に学習に影響を及ぼしていることは想像に難くないでしょう。
このように、年齢によっても睡眠の質は異なります。
思春期の睡眠の特徴
思春期、つまり10代の睡眠は子供とも大人ともまた違った睡眠です。
睡眠中は様々なホルモンが分泌されるというのは多くの人が聞いたことがあるでしょう。
睡眠の際に分泌されるホルモンの一つにメラトニンがあります。
メラトニンは眠気を促すホルモンです。
メラトニンは通常、暗くなってくる(つまり夜になる)と分泌が始まります。夜眠くなってくるのはそのためです。
10代の頃はこのメラトニンの分泌が大人より遅く始まり遅く終わります。
つまり大人より夜は眠れないし朝は眠いのです。
大人が9時から始業する一方で、高校の授業は8時台から始まることも少なくはないですね。
しかし睡眠の特徴を考慮すればむしろ10代は大人より朝の活動を遅く始めるべきなのかもしれません。
子供の睡眠不足の弊害
参考資料
ポー・ブロンソン、アシュリー・メイリーマン『間違いだらけの子育て』インターシフト、2011年
・『眠れていますか? 各年齢別のベストな「睡眠時間」がありました』(HuffPost)2017年7月29日検索
・『平成23年社会生活基本調査』(総務省)2017年7月29日検索