メンタル・アカウンティング(心の会計)とは?
メンタル・アカウンティングとは「心の会計」とも呼ばれる経済学に関する用語です。
メンタル・アカウンティングとは、人はお金という数字を無意識に用途ごとに区分けしてしまうという傾向のことです。
例えば親戚から出産祝いでもらった1万円も、パチンコで手に入れた1万円もどちらもお金の価値としては同じ1万円です。
しかし多くの人は前者は慎重に子供のことに使い、後者はあぶく銭として散財してしまうケースが多いでしょう。
このように人はお金に意味付けをし、区分けして使う傾向があります。
解説
もしもガソリンが値上げしたら
例えばガソリンの価格が上がった場合、多くの人はガソリンを節約しようと考えるのではないでしょうか。
不要な車での外出を控えたり、冷暖房を調整して燃費を上げたり、ガソリンの使用を節約して、ガソリン代の出費を抑えようとします。
しかしながら、別にガソリン代が上がっても車の使用頻度はそのまま、例えば食費や光熱費などの節約で家計を維持してもいいはずです。
にもかかわらず、多くの人はガソリン代が上がれば車関連の費用の節約で帳尻を合わせようとします。
これはなぜかと言えば、同じ財布の中のお金であっても人は「ガソリン代」「水道代」「電気代」のように無意識でお金を区分けしています。
ガソリン代が上がれば車関連の費用の中で帳尻を合わせたいし、水道代が上がれば水の節約で調整したいと思いがちです。
このように人は、心の中でお金を区分け、つまり会計しています。
口座によってお金のイメージが変わる
例えばあなたが日々の生活で自由に使える銀行口座と、長年の間コツコツ貯金をしていて普段はお金をおろさない銀行口座があったとします。
ある日、手当のようなものが支給され、1万円のお金が振り込まれたとします。
その1万円はどのように使うでしょうか。
多くの人は、前者の口座なら生活費に消え、後者の口座ならそのまま貯金してしまうのではないでしょうか。
人はそのお金がどういう経緯で自分の下に来て、どういう位置づけかを無意識に考えてしまいます。
メンタル・アカウンティングは人の意思決定に関する教訓であるとともに、節約や貯金に関するヒントとも言えるでしょう。