はじめに
心の理論の理解を見る誤信念課題には、
「一次的誤信念課題(標準誤信念課題)」と
「二次的誤信念課題」があります。
一次的誤信念課題は、「Aさんは~と思っている」という理解を問われます。
二次的誤信念課題は、「Aさんは~とBさんは思っている」という理解を問われます。
構造上、一次的誤信念課題よりも二次的誤信念課題のほうが難しい課題になります。
以下、誤信念課題の例題です。(正式な検査ではなく、あくまで練習用の例題なのであしからず。)
心の理論の例題
問題
太郎君はリビングでおやつのポッキーを食べていました。
ポッキーを食べ終わった後、太郎君はその箱にクッキーを入れました。
そこにお父さんがリビングに来ました。
「お父さんも食べる?」太郎君は言いました。
お父さんはポッキーの箱の中に何が入っていると思うでしょう?
それはどうしてでしょう?
解説
答えは「ポッキーが入っていると思っている」になります。なぜなら見た目がポッキーの箱だからです。
お父さんは太郎君がポッキーの箱の中にクッキーを入れたところを見ていません。
一方で、お父さんはポッキーの箱の中にポッキーが入っているところを見たわけではありません。
しかしながら、お父さんは「ポッキーの箱」という外観で、中にポッキーが入っていると予想するでしょう。
このように人は多くの場合、物事を実際に確認していなくても、周囲の情報から物事を予想します。
多くの人はポッキーの箱の中にはポッキーが入っていると思いますし、チョコボールの箱の中にはチョコボールが入っていると思います。
普段よく見るポッキーの箱に対して、毎回「何が入っているんだろう?」と疑問を持つことはありません。
これは「多くの人はなんでも実際に確認するわけではなく、思い込みで判断をしている」という教訓でもあります。
太郎君のケースは例題なのでわかりやすいですが、実生活では「相手はこう受け取る」という予想をできないまま人と接してしまうことはよくあります。