子供と見る、あるいは子供に見せることを想定した検閲的レビューです。
適宜ネタバレも含みますのでご了承ください。
心が叫びたがってるんだ。は子供に見せても大丈夫か?
アニメ映画「心が叫びたがってるんだ。」は、基本的には子供から大人まで楽しめる健全な作品です。
しかし一部性的な表現があり、完全に物語の内容を理解するにはこれらを理解する必要があります。
子供と一緒に見る場合は、これら気まずいシーンを大人がごまかす・知らないふりをする必要があります。
表現や描写の解説
性的な表現
- 父親が不倫相手とラブホテルに出入りするところを、ヒロインが目撃します。
- 「ラブホ」といった単語が登場します。
- 恋愛におけるドロドロとした関係が描写されます
そもそも父親の不倫現場をヒロインの成瀬が目撃したことをきっかけに物語は始まります。
しかし性的な視覚的シーンはないので、子供と見る場合、「お父さんがデートを他の女の人としていた」といった婉曲な説明ができないことはありません。
また物語後半には、成瀬が自身を含む周囲の恋愛関係について不満を言うシーンがあり、このあたりは少しドロドロした人間模様がうかがえます。
暴力的な表現
登場人物である田崎大樹は野球部の体育会系であり、若干乱暴な言動が目立ちます。
しかし物語全体としては、「心が叫びたがってるんだ。」は暴力的な演出はほぼない作品です。
反社会的な表現
ヒロインである成瀬の家庭は、成瀬が父親の不倫現場を目撃したことがきっかけで離婚に至ります。
当然ながらこの責任は父親にあるはずですが、
当の父親は娘のせいで不倫がばれたことから離婚の原因を娘に押し付けます。
これに対する母親の成瀬に対する精神的サポートもあまり見られません。
最終的にはある程度のハッピーエンドに至る「心が叫びたがってるんだ。」ですが、この「どうしようもない父親」の件は特に因果応報もなく終わります。
言語・思想関連の表現
「心が叫びたがってるんだ。」に過激な思想やメッセージ性は特にありません。
ちなみに、ヒロインである成瀬は過去のトラウマから声を発しようとすると腹痛が起き、声を発することができません。
しかし歌だと声を出すことができます。
この会話では支障があるけれど歌は歌えるというのは言葉の障害である「吃音」と通じるものがあるなあと思います。
成瀬は吃音ではないし、何かの障害名が明確に描写されてはいませんが。