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国試に来年合格するために
リハビリの国家試験に落ちて来年合格を目指す場合、手堅く勉強をしていくための環境設定を行うことが建設的と考えられます。
具体的には学校やリハビリ関係の職場とつながりを持って、周囲の目がある状態で勉強をしていきます。
解説
理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)。
いずれもリハビリの国家資格であり、国家試験に合格することがこれらの仕事に就く前提条件となります。
どんな試験もそうですが1年に1回しか行われない試験に不合格というのは精神的に非常に辛いものです。
リハビリの道を諦めることも頭をよぎるかもしれません。
しかしながらリハビリの国家資格は現状としては特に更新制度はなく、一度取得すれば一生使える資格です。
考え方はいろいろありますが、せっかくなら1回の不合格で国家資格を諦めるよりは再チャレンジしたほうがいいでしょう。
国家資格を取って臨床に出れば、1回や2回の不合格による経験年数の差は誤差の範囲です。
せっかく長い時間と高い学費で手に入れた受験資格ですから、もうひと踏ん張りして資格を取ってもいいかもしれません。
人生は長期戦と言えます。
合格するためにすること
他人の目がある状態にする
現役生より既卒者の方が、国家試験の合格率が低いというのは学校界隈でよく言われることです。
学校を卒業して一人で勉強すると周りの目がなく、つい自堕落な生活になりがちだからかもしれません。
「双曲割引」という行動経済学の概念があります。
今日の誘惑は明日の誘惑より大きく、明日の誘惑は明後日の誘惑より大きいという心理学的な概念です。
つまり、不合格だった直後なら目の前の誘惑より勉強を選べそうな気がしますが、実際に誘惑(友人と遊んだりアルバイトをしたり)を目にしたときは勉強より誘惑をとってしまうのは人間の性ということです。
このため国試験合格を目指すなら、淡々と「勉強をせざるを得ない状況」を前もって作ることが大切です。
学校とつながりを持つ
多くの専門学校・大学は、国家試験に落ちたら相談に乗ってくれたり勉強をアドバイスしたり何らかのサポートをしてくれるところが多いでしょう。
模試などを受けることもできるかもしれません。
きちんと学校とつながりを持って、「自分の合否を先生も見ている」という状況を作りましょう。
また当然ながら学校は国家試験対策のプロなわけですから、先生の話を素直に聞いて素直に勉強しましょう。
リハビリの国家試験は独創的な才能が必要なわけではありません。
試験勉強の傾向と対策を当たり前にやっていく地道な作業です。
関連職場に就職
浪人が経済的に厳しい場合は、医療関係の職場に一旦就職して働きながら勉強するという手もアリでしょう。
「来年に国家試験合格を目指している」ということを宣言すれば、自分にプレッシャーをかけることができます。
ここで気をつけるのは、できるだけリハビリに関わる仕事に就いておきましょう。
まったく関係ない仕事やアルバイトだと、試験勉強への意識が向きにくいかもしれません。
周りにリハビリスタッフがいれば「自分も合格するぞ」と意気込めるでしょうし、「この人は来年合格を目指しているんだな」と周囲のいい意味での圧力もあるでしょう。
家族と連携
自分の勉強状況や生活、模試の経過などを定期的に家族に報告することも手段としてあります。
実家暮らし・一人暮らしに限りません。
ついサボってしまう・遊んでしまう可能性を断ちましょう。
学校や職場、友人など、いわゆる「他人」とは違った言葉かけやアドバイスを「家族」ならしてくれるかもしれません。
スケジュールを立てて共有
学校の先生などからアドバイスをもらいながら、毎日の勉強スケジュールを立てていきましょう。
何月に過去問や模試で何点とれるかという数値目標もしっかり入れ込みます。
そしてこれらスケジュールや数値目標を学校や職場や家族と必ず共有します。
目標を宣言し、盤石なレールを敷いた上で、それらを他人の目とプレッシャーを活用しながら淡々とこなしていきます。