発達障害児の外来が中止になっている
発達障害児に対する個別あるいは小集団支援を「療育(りょういく)」と言ったりします。
コロナウイルスの外出自粛
および緊急事態宣言の兼ね合いで、
発達障害児の外来療育が
中止になっている施設が多いようです。
療育が中止になる背景
コロナウイルスに伴い療育が中止になっている背景には、
療育現場は学校以上にリスク管理が難しいという点があると思います。
例えば一般に発達障害児とされる自閉症やADHDのお子さんの場合、身体的な疾患があることは少ないです。
一方で、療育には脳性麻痺など身体的な障害を持つお子さんも通うことがあります。
中には呼吸器などをはじめ重篤な障害を持つお子さんもいます。
こういったリスクの高いお子さん達は特にコロナウイルスを感染させるわけにはいきません。
また、療育施設によっては入所施設が併設されている場合もあります。
発達障害児の場合は
家から施設に通る外来療育が一般的だと思います。
その一方で、
重度の障害により在宅が困難な方の場合は
施設入所により生活しながら療育を受けるパターンがあります。
経営的観点から、
外来療育と入所施設を併設している施設は少なくありません。
こういった施設の場合、
外部からの接触(外来療育)により入所者にコロナウイルスが広がることは非常に問題であることは想像に難くありません。
このような背景から、
外来療育を中止する施設も多いのではないのでしょうか。
療育が中止期間に家庭でできること
療育が中止されている間、
家庭ではどんなことをしたほうがいいのでしょうか。
このあたりは学校と同じだと思います。
親のほうも仕事の変化が大きい時期。
無理のない範囲で家庭学習を充実させたほうがいいでしょう。
内容としては担当のセラピストなどに電話でアドバイスをもらってもいいかもしれません。
また、
療育は親御さんにとって相談できる場所やレスパイト(休息)の場所である点も無視できません。
コロナウイルスによる自粛期間でも、
放課後等デイサービスなどは開いていることが多いです。
これは幼稚園と保育園の関係に似ていますね。
療育は大きく
親子で通う「教育型」と
子供を日中預ける「預かり型」の
2種類があります。
このうち、
コロナウイルスで療育が中止になっている多くの施設は「教育型」です。
放課後等デイサービスなどを含めた
「預かり型」の施設はそれにより共働き世帯の日常を支えている側面があるので簡単には閉鎖できません。
そのため預かり型のほうは最大限の配慮を行いつつ預かりを実施していることが多いです。
新型コロナウイルスによる外出自粛と休校で
お子さん達もストレスが溜まっていると思います。
こういったときは無理をせず
放課後等デイサービスなどを活用して
親の精神面を安定させることも大事なことだと思います。
おわりに
重度の発達障害児の場合、
お子さんによっては感染症に対する予防行動が難しい場合があります。
こういった点も
昨今のコロナウイルスに伴う
子育ての悩ましいところです。
具体的には
なんでもすぐ手で触ってしまう。
自分で気がけて手を洗うことが難しい。
自分の微妙な体調変化を言葉にできないなどです。
発達障害は外見には見えにくい障害ですから、
周囲の理解も大切なことは今回のコロナウイルス騒動の渦中でも変わらないでしょう。