1. どのくらいが「言葉の遅れ」?
子供の言葉の発達は個人差があり、
どのくらいが「個人差の範囲内」でどのくらいが「顕著な遅れ」といえるかの判断って難しいものです。
傾向として、
幼児期で1歳以上の遅れ
学童期で2歳以上の遅れ
がみられる場合は専門機関への相談を検討してみてもいいかもしれません。
幼児期とは小学校に上がる前の保育園や幼稚園の時期ですね。
学童期とは小学校の時期です。
以下、これらの理由をもう少し詳しく。
2. 言語発達遅滞とは?
「言葉の遅れ」は専門用語では「言語発達遅滞」と言われたりします。
「言葉の遅れ」の背景にはいろいろな原因が考えられます。
一般的にわかりやすいものの1つが知的障害。
つまり知的な遅れに伴い言葉が遅れている状態ですね。
また、自閉症をはじめとした発達障害が影響している場合もあります。
自閉症は知的障害が伴う場合もありますが伴わない場合もあります。
ですので、
「知的障害による言葉の遅れ」と、
「その他の発達障害に伴う言葉の遅れ」は
分けて考えます。
また、発音が上手くできない構音障害も言葉の遅れと言えば遅れかもしれません。
いずれにせよ、
一口に「言葉の遅れ」と言ってもその背景となる診断は様々なわけです。
で、詳しい診断はまず置いておいて、
「言葉の遅れ」がある状態をまとめて「言語発達遅滞」と言います。
3. 言語発達遅滞の目安
では具体的に、どのくらい言葉が遅れていたら「言語発達遅滞」という診断に至るのでしょう?
言語発達遅滞に明確な数値的な定義はありません。
「言語発達遅滞」はその子の言葉の遅れの原因がまだ明確でない頃に、しかしながら現実問題として言葉の遅れがあるため何らかの支援が必要な場合によく使われる診断です。
そのため言語発達遅滞の基準はやや曖昧である側面があるのです。
しかしながら、子供の言葉の発達に関する益田慎氏の論文によると、
幼児期は1歳以上、学童期では2歳以上の遅れを認めた場合に言語発達遅滞であると定義されることが多いとされています。
幼児期と学童期で目安が違うのは、やはり小学校のほうが勉強が本格的にはじまり個人差が広がるからでしょう。
4. まとめ
言葉の発達には個人差があります。
安易に人と比べて「遅い」「速い」とは判断できないものです。
しかしながら、顕著に言葉の遅れが見られる場合は、専門的な支援を行った方がその子の発達を促すこともあります。
では、どこまでは「個人差の範囲」で「顕著な遅れ」なのか。
どのくらいが言葉の遅れなのかは、お子さんの状況や親御さんの困り具合にもよると思います。
しかしながら傾向として
幼児期は1歳以上、学童期では2歳以上の遅れがあると専門的支援を検討する対象になることがあります。
いずれにせよ、親・保育園の先生・専門機関のスタッフ・医師など複数の目から判断することが大切です。
また、お子さん自身がその言葉の遅れでどのくらい困っているかも重要です。
5. その他の記事
6. 参考資料
『言語発達遅滞とは』(J-STAGE)2018年6月3日検索