【目次】 [close]
構音障害の音の誤りの種類
構音障害の音の誤り方の種類としては、以下のようなものがあります。
- 省略
- 置換
- 歪み
- 添加
解説
省略
その音がなくなってしまう誤り方を「省略」と言います。
省略は文字通り、出すべき音が省略されている構音の誤り方です。
省略は特に機能性構音障害では「すいか」→「すい」といった省略より、子音の省略、つまり「すいか」→「すいあ」といったケースが多いです。
子音の省略は、音声記号あるいはローマ字で考えるとわかりやすいでしょう。
「suika」→「suia」のように、「k」が省略されています。
機能性構音障害では、「省略」は子音の省略が多いです。
反対に母音のみの省略はあまり見られません。
置換
置換(ちかん)も構音の誤り方としてよくある誤りの1つです。
置換は出したい音が別の音になってしまう状態です。
「かば」→「たば」のような状態です。
歪み
置換ははっきりと音が別の音に変わっています。
日本語の音が別の日本語の音になっているわけです。
一方で、確かに音は変わっているが「じゃあどんな音か」と言えば説明がしにくい。そんな誤りの状況があります。
これを歪み(ひずみ)と言います。
歪みは本来の音とは違うが日本語の音には該当しない誤り方を言います。
ちなみに「歪み」は「ひずみ」とも「ゆがみ」とも言われます。
添加
あまり見られないため問題になることは少ないですが、語の一部に余分な語音が付け加えられる「添加」も音の誤りとしてあります。
例えば「つみき」→「つみきり」、「じどうしゃ」→「じんどうしゃ」などです。
その他(音形の誤り)
その音自体は構音できるのに、単語の文字数や前後の音の組合せによって正しい構音ができない場合があります。
音形の誤りには省略・同化・転置があります。
省略は、「あんぱんまん」→「あぱーまん」などです。
同化は前後の音の影響で構音の仕方が同じになってしまう状態です。
「あんぱんまん」→「あんぱんぱん」などです。
同化は両唇破裂音の影響が多いです。
転置は音が入れ換わります。
「あんぱんまん」→「あんまんぱん」などです。
音の形の誤りは、構音器官の運動の未熟さや音韻分解の不十分さが影響しています。
特別に難しい単語を除いては、正常発達であれば音形の誤りは4歳以降に減少していきます。
構音障害の解説
構音障害とは?
異常構音の種類
参考資料
湧井豊『構音障害の指導技法-音の出し方とそのプログラム-』学苑社、1992年