発音のことを医学的に構音と言います。
発音の練習をすることを専門的には構音訓練と言ったりします。
個人差はありますが、
日本語において「かきくけこ」は比較的お子さんがつまづきやすい音です。
「かきくけこ」の構音訓練についての続きです。
前回の記事:カ行の発音練習(1)~練習のための前提条件~
カ行は後舌を使う音です。
日常の中で後舌を使う動作で主なものはうがい。
ガラガラうがいをできるようになることはカ行の発音練習に役立ちます。
気をつけるべき点は、
うがいができない子にいきなりうがいの練習をさせないこと。
水を口に含んで、飲まないように上を向いて口を開けるというのはけっこう怖いものなのです。
うがいの練習も段階を追ってやっていきます。
簡単なところから少しずつ始めましょう。
まずは口に水を含む練習です。
コップから水を少し口に含んでもらいます。
口に水を含んで、出す。含んで、出す。
これを繰り返します。
まだ水を口に含む練習なので、上を向いたりうがいをしなくてOKです。
次に、水を口に含んでいられる時間を長くします。
コップから水を口に含んでもらう。
例えば最初は3秒。できたら5秒。できたら10秒。
自然に10秒くらいできることを目指します。
今度はいよいよ、水を口に含んだまま上を向きます。
1.水を含んで上を向く
(口は閉じたままでOK)
2.上を向いている時間を長くする
(まず3秒、5秒、10秒など段階的に)
3.含んだまま上を向いて、口を開ける
(これが楽にできるように目指します)
お子さんに上を向いた状態で口を開けてもらいます。
スプーンやスポイトで数滴くらいの量の水を口の中へ合図しながら入れます。
喉の奥の方に入れると苦しいのでやや側方を意識して入れてあげます。
先述の①~③のステップをクリアーできたお子さんなら、この口の中に入れた水をのみ込まず貯めることができるでしょう。
口を開けて上を向いた状態で、水が入ってくることで、後舌を上げる動作をより瞬発的にできるようにする意図があります。
そのため、指導する方はお子さんの口に水を入れる際に後舌が動いているかもチェックしてあげましょう。
これを繰り返して慣れていくと、水を実際に入れなくても「お水いれるね~」と合図するだけで後舌を上げることができるようになってきます。
いよいようがいの練習です。
スプーンに一杯程度の水でうがいを実際にやってみます。
指導する方が実際にお手本を見せてあげてもいいでしょう。
気をつけるポイントは、
「うがいしてみて」など「うがい」という単語で指示をしないこと。
うがいができないから練習をしているわけで、できないこと・イメージできないことの言葉で言われてもどうやっていいかわからないものです。
スプーン一杯の水で慣れてきたら、徐々に水を少なくして最終的に1滴くらいの水でもできるように目指します。
そして最終的に水なしでもうがいの動作ができるようにします。
スプーンで水を入れるふりなどをすると最初はわかりやすいでしょう。
以上がうがいの練習になります。
お子さんによって状況はまちまちでしょうから、その子に合わせたステップで練習していきましょう。
次回はうがいの音から実際の「かきくけこ」の音に近づけていきます。
次回に続きます。
次の記事:カ行の発音練習(3)~「か」単発の音の練習~
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