子供の滑舌についてです。
日本語の発音において最も難しい音の一つであるサ行(さしすせそ)。
「さすせそ」と「し」で微妙に音声学の分類上異なります。
そのため構音訓練(発音練習の医学用語)においては
「さすせそ」と「し」は分けて練習を行うわけです。
「さすせそ」の練習においてどれが最初と順番はありませんが、
「す」が一番とっつきやすいです。
前回までで、「す」がつく単語の発音の仕方まで学びました。
前回の記事:「さしすせそ」(サ行)の発音練習(3)
今回はいよいよ文章にうつります。
「す」がどの位置にあっても上手に単語を発音できるようになってきたら、文章練習も少しずつ入れていきます。
文章練習の最初としては、修飾された単語や2語文でまず練習していきます。
修飾された単語とは、
「すこしのアイス」
「すっぱいすいか」
「すごいすべりだい」
などです。
修飾語と単語にそれぞれ練習している音(この場合「す」)が入っていて、練習音を複数回発音する状況を作ります。
2語文も同様です。
「アイスです」
「すぐにすべる」
「スープすくって」
などです。
これらをできるだけいろいろなバリエーションで言えるようにしていきます。
問題のバリエーションに困ったら、
「スイカとスープ」
「アイスとすべりだい」
など単純に単語を複数言ってもいいでしょう。
修飾された単語や2語文に慣れたら、
今度は短い文の練習に移行します。
「スープをすこしのみます」
「アイスをスプーンでたべます」
「すべりだいがすごくすきです」
などです。
短文に慣れたら次は長文です。
「スイカのジュースをすこしのみます」
「すごくおおきいアイスをスプーンでたべました」
「すずめこうえんのすべりだいでまたあそびたいです」
などです。
当たり前の話ですが、
文章が長くなると覚えきれずに言えないお子さんもでてきます。
発音ができなくて言えないのか、
文章を覚えきれずに言えないのか
周りの大人が見極めてあげないといけません。
これは大人が言った後に繰り返してもらう復唱でも同じです。
最初は不慣れで長文が復唱できないことは多々あります。
地道に少しずつやっていきましょう。
ただしあまりにも長期間、長文ができない場合は発音以前に記憶力や集中力の問題である可能性もあります。
年長さん前後で3~4語文の文章の復唱が何回やっても長期間にわたってできない場合は、保育園の先生や専門機関に相談するのもひとつの手かもしれません。
ここまでくるとあとは応用練習です。
日常においても「す」がちょこちょこ出てきている状況です。
長文がスムーズに言えたら早口言葉などの応用でより盤石にしていきます。
「すべすべするするすべりだい」
「すきすきすてきなアイスクリーム」
など「す」が非常に頻繁に出てくる題材でやっていきます。
文章を復唱したり一緒に行うのが「練習」とすれば、
日常会話は「本番」です。
「練習」でできないことは「本番」でもできませんが、
「練習」できるからといって必ず「本番」でできるというわけでもありません。
日常会話で言えるようになるには、
練習場面で簡単すぎて退屈なくらいに熟達する必要があります。
その一方で、日常会話で音が間違った際に、
頻繁に注意したり叱ることはNGです。
会話が楽しくなくなってしまっては本末転倒。
日常会話ではまず楽しく会話し、言葉をたくさん出すことが大切です。
「いま上手だったね」
「練習してるからどんどん音がきれいになってるね」
日常会話においては叱る・注意するといった「ネガティブな指導」ではなく、
褒める・がんばったことで上手になったという自信の気づきといった「ポジティブな指導」を心がけましょう。
これで「す」の音はおおむね完了です。
その他のサ行について、次回に続きます。
次の記事:「さしすせそ」(サ行)の発音練習(5)