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どの音から練習を始めるかの基準
子供の発音が複数不明瞭な場合、どの音から練習を行うかを判断しなければなりません。
複数の音を同時並行で練習していては、多くの場合子供が混乱してしまいます。
構音訓練においてどの音から練習するかは、基本的に最も治療効果が高いものから行います。
具体的には以下の基準をより満たすものから着手します。
解説
獲得時期が早いもの
基本的には定型発達において早く獲得される音から練習します。
例えばカ行のほうがサ行より一般的には早く獲得されます。
このためカ行とサ行、どちらも音が出ておらずかつ条件が同じならば、カ行のほうが先に練習したほうがよいでしょう。
浮動性がある音
誤りに浮動性がある音、つまり誤りに一貫性が低い音から練習していきます。
鍵になる語(Key Word)
浮動性と関連しますが、
誤りの一貫性が低く時として正しく言えている言葉(Key Word)がある場合は、その音から練習していきます。
被刺激性の高い音
被刺激性がある場合は、その音から練習します。
会話明瞭度に大きく貢献しそうな音
会話明瞭度に大きく影響している音から練習すると効率的です。
指導者から見た着手のしやすさ
これら以外の要因で、指導者から見て練習をしやすい音を考えることも大切です。
例えばその子の名前に入っている音や、その子の生活でよく使う音、各種評価から優先順位が高いを思われる音など。
本人や親が治したいと思っている音
(評価から優先順位が高いのであれば)本人や親が気にしていて、主訴となっている音を練習することは、モチベーションや満足度につながるでしょう。
構音障害の解説
構音障害の評価方法
構音発達の目安
参考資料
湧井豊『構音障害の指導技法-音の出し方とそのプログラム-』学苑社、1992年