空気が読めない原因は何か?
世の中には、空気を読めない人がいます。
空気が読めない原因はなんでしょう?
これは状況や人によって異なるでしょうが、総じて言うと、
空気が読めない原因は「心の理論が感覚でわからない」ということが考えられます。
以下、もう少し詳しく。
「心の理論」とは?
「心の理論」とは他者の心の状態を推測できる力のことです。
「心の理論」がどういうものなのか。
有名なものに「サリーとアン課題」というものがあります。
サリーとアンが一緒の部屋にいました。
サリーがボールをかごに入れました。
アンが部屋を出ました。
サリーはボールをかごから箱に移しました。
アンが部屋に戻ってきました。
アンはボール探すとき、どこを探すでしょう?
正解は「アンはかごを探す」です。
ボールがあるのは箱の中ですが、アンはボールが箱に移されるのを見ていないからです。
このように、
「相手が、相手が知りえている情報の中でどういう判断をするか」と考えることが空気を読む力の土台となります。
「サリーとアン課題」だけ見ると心の理論はずいぶんと簡単な概念のように思えますね。
しかし、実生活の中での複雑な人間関係や空気はやはりこういった心の理論に基づきます。
「相手の状況や気持ちを考える」というのは言葉にしたり例題にするとすごく簡単なように思えますが、実生活になるとすごく複雑なものです。
空気を読める「感覚」と「理屈」
「心の理論」は4歳前後、すなわち保育園や幼稚園の年少さん頃に身につくとされています。
ここでポイントなのは、
一般的に心の理論が身につくとされる4歳頃の時期は、サリーとアン課題を正解できるけれどその理屈を口では説明できないという点です。
つまり、
多くの人は空気を理屈ではなく先に感覚で身につけるということです。
空気を読めない人は、こういった「相手が相手の状況だとどういったことを思うか」ということを感覚として思いつかないわけです。
まとめ
相手は今、どういう状況なのか。
相手は今、どんな情報を持っているのか。
相手は今、どんな気持ちなのか。
これらから、相手はどんなことを感じ、言い、行動するのか。
こういったことを考えて、じゃあ自分はどのようにふるまうべきかというのと考えるのが空気を読むということです。
空気を読めない人は、相手の気持ちや状況を感覚で察することが苦手です。
その背景には心の理論に対する苦手さがあると考えられます。
相手がこういう状況ならどう感じどう行動するか。
これを理解するには、
「こうあるべき」とか「これが正しい」といった考えではなく、自分の主観ではなく、
純粋に「相手がこういう場だと相手はどう思うか」という相手本位で考える必要があります。