後輩:「これこの前の会議の資料です」
先輩:「え?」
後輩:「この前の会議の資料です」
先輩:「ああ、ありがとう」
女性1「駅前に新しくカフェができてね」
女性2「え?」
女性1「駅前にカフェができてね」
女性2「ああ、うんうん」
空気が読めない人はよく聞き返します。
話を聞いていないという感じではありません。
相手が何を言っているかほとんどわかっているのに、確信が持てず聞き返すのです。
この状況では相手はこういう話題を話しているのだろうという推論が苦手なのです。
人とのコミュニケーションはその瞬間の言葉だけで成り立つものではありません。
それまでの文脈、雰囲気、相手の表情、ジェスチャー、流れ。
言葉にならない多くの情報で成り立っています。
空気が読めない人は言葉にならない情報が苦手です。
はっきりと言葉にされた物事はわかるのですが、そうでないものはうまく読みとれない。
さきほどの例で言うと、
後輩:「これこの前の会議の資料です」
先輩:「え?」
後輩:「この前の会議の資料です」
先輩:「ああ、ありがとう」
先輩は後輩に資料を頼んでいたことや、後輩が資料を手に持っている様子から後輩が何を伝えたいのか読みとることは可能です。
しかしそれらに意識が向いていない。
相手が今この瞬間に発した言葉だけで状況を理解しようしているのです。
さらに、相手が自分に視線を向けて、自分に近づいてきて、話しかけようとする表情の読み取りができていない。
だから自分が話しかけられることは予測できるはずなのに聞く準備ができていない。
こうして聞き返すことになるのです。
この瞬間の言葉だけでコミュニケーションを考えないことです。
これまでの経緯や相手の表情。
言葉にならないものを読みとる必要があります。
相手が何を言おうとしているのか。
それは必ずしも直接的な言葉ではありません。
社交辞令であったり皮肉であったりと言葉の裏にも意味があるかもしれません。
もしもあなたがよく「聞き返す人」なら、
聞き返すことをぐっとこらえて、相手の意図を予測してみましょう。
知ったかぶりしろと言っているのではありません。
聞かなくてもわかること、読みとれることを増やすのです。
なんども聞き返されると人は嫌になるものです。
コミュニケーションの天敵はめんどくささです。
いつも聞き返す人はめんどくさいです。
もしもあなたが「よく聞き返す人」なら、
相手はあなたとのやりとりにいつもではないにせよ時折めんどくささを感じているかもしれません。
相手がわかってほしいことをすっとわかってあげられることが大切です。
そのためには言葉にならない情報を読みとることが大切です。