心理学

空気を読む方法。場を察するのが苦手な人~発達心理学より~

公開日:2019年1月31日

 
 

 
 
 

空気を読めるようになるには?

空気を読めるようになるにはどうしたらいいでしょう?

「空気を読む」とは「その場の状況や人の気持ちを察して」「自分の言動を調整する」ということです。

察するだけでも行動するだけでもダメなわけです。

どんな言動が「空気を読んだ言動」なのか。
これは状況によるため答えが1つではありません。
ゆえに難しく、「空気を読むのが苦手」と思う人も多いです。

空気を読むには、「心の理論」を意識して考える習慣が有意義と考えられます。

以下、詳しく。
 
 
 

「心の理論」とは?

「心の理論」とは他者の心の状態を推測できる力のことです。

「心の理論」がどういうものなのか。
有名なものに「サリーとアン課題」というものがあります。

サリーとアンが一緒の部屋にいました。
サリーがボールをかごに入れました。
アンが部屋を出ました。
サリーはボールをかごから箱に移しました。
アンが部屋に戻ってきました。
アンはボール探すとき、どこを探すでしょう?

正解は「アンはかごを探す」です。
ボールがあるのは箱の中ですが、アンはボールが箱に移されるのを見ていないからです。

このように、
「相手が、相手が知りえている情報の中でどういう判断をするか」と考えることが空気を読む力の土台となります。

「サリーとアン課題」でいくと、空気を読めない人は「アンは箱の中を開ける。なぜならボールは箱にあるから」と答えます。

それは、「問題を聞いたあなたはボールが箱の中にあると知っているけれど、アンはその現場は見ていないでしょ?」という話です。

ややこしい表現ですが心理学においてよく言われるを表現するなら、
「あなたが知っていることを相手が知らないということをあなたは知っているか?」
ということです。
 
 
 

苦手なら、論理的に、空気を読む

「サリーとアン課題」は健常な人であれば4歳くらいから正解できる、「空気を読む」課題の基礎です。

実生活の空気はもっと複雑でしょうが、基本は同じでしょう。

つまり、

  • 相手がどんなことを知っているのか。
  • その情報から相手はどんなことを思うか。
  • それに対し、自分はどう振る舞うべきか。

この3段階が「空気を読むこと」と考えられます。

先述の通り、「サリーとアン課題」は幼児期に正解できる課題ですが、

自閉症などのように空気を読むことが苦手なお子さんの場合、「サリーとアン課題」が幼児期以降でも正解できない子がいます。

しかしながら、4歳で「サリーとアン課題」が正解できなかった自閉症のお子さんでも、論理的思考力が9歳レベルまで上がってくると正解できるようになる子が出てきます。

つまり、
「空気を読むこと」が苦手でも、ある程度は論理的思考力を身につければそれをカバーできることが考えられます。
 
 
 

まとめ

論理的思考力を身につけるのは、特に「空気を読む」ことに論理的思考力を活かすには、日々の習慣が大切です。

自分の日常生活を、「サリーとアン課題」に当てはめてみて、今はどんな空気かを考えます。

信頼できる人に話してみたり、教えてもらうのもいいでしょう。

空気を読むことや社会生活および人間関係に必要な言動を学ぶことを「ソーシャルスキルトレーニング」と言ったりもします。

大人になればなるほど、空気の読み方って周囲は教えてくれなくなるものです。

謙虚な姿勢で、人に聞いたり教えてもらったり、学ぶ姿勢を持つことが一番の「空気を読む方法」でもあります。
 
 
 

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参考資料

『学童期における認知発達の特徴~9,10歳の発達の節目に焦点を当てて~』(立命館学術成果リポジトリ)2019年1月24日検索

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