負けても悔しがらない子
勝負やゲームで負けてもけろっとしているというか、悔しがらない子がいます。
おおらかなのは悪いことではないですが、親としては競争心がなさすぎるのも心配の種であったりもします。
勝ち負けに対する感情は人それぞれですが、その年齢・その時期に合った子供の感情の発達は見てあげる必要があるでしょう。
勝ったら喜ぶべき、負けたら悔しがるべきと感情を強制する必要はありません。
しかしその子が勝負にこだわらない背景、勝負にこだわる背景はなんなのかと考えてあげることは大切なことです。
感情を強制するのではなく、
子供が様々な感情を体験し、その感情を知り、その感情をどのように扱ったらいいかを学ぶ。
そういった経験の後押しをしてあげるのは有意義なことではないでしょうか。
勝敗への感情と子供の発達
子供は3歳後半頃から「勝ち」「負け」といった概念がわかってきます。
そして子供が負けて悔しがる様子は個人差はありますが4歳頃から徐々に見られます。
人間は成長する中で様々な心の動きを経験し学んでいきます。
それは自分の心だけでなく、相手の心も含みます。
自分の中の喜びや悲しみを感じ、相手の喜びや悲しみを察し、相手の喜びや悲しみに共感し自身も喜びや悲しみを感じる。
心の発達には自分の心を感じ取ったり相手の心を察し共感したりする営みが必要です。
勝敗に対する感情も同様で、
勝つことの嬉しさや負けることの悔しさを「自分だったら」「相手だったら」と様々な角度から察し共感できることが必要になります。
競争心がない子にはどうしたら?
3歳頃まではそこまで勝敗に伴う感情理解が整っていませんから、負けてもけろっとしているのは不思議なことではありません。
4歳ないし5歳頃から、すごく勝ち負けにこだわる子もいればそうでない子も出てくるかもしれません。
負けても悔しがらない子、競争心がない子に対して「競争心を持ちなさい」と強制してもなかなか子供としては堅苦しいものです。
「嬉しさ」も「悔しさ」も、努力の末の結果に伴うことが多いです。
まずは子供と努力の過程を一緒に取り組んでみるといいかもしれません。
運動会のかけっこで負けてもけろっとしているなら、
次回の運動会では事前にかけっこの練習をしてみます。
少しずつ上手に走れるようになったら、「すごいね」とほめてあげます。
結果ではなく頑張ったことを褒めてあげます。
そうやって子供は努力や過程を褒めてもらうことで喜びを感じます。
その努力が結果に結びつけばもっと喜びを感じることができるかもしれません。
一方で結果が報われなければ悔しさを感じるかもしれません。
勝つことの嬉しさも負けることの悔しさも、その背景(努力)を意識するという、「過程から結果まで」を通して感じ取る力が必要なのではないでしょうか。
全てのお子さんがそうとはいいませんが、もしも子供が悔しがらないとき、その子は過程と結果の結びつきがまだ曖昧なのかもしれません。