男女の関係だけでなく、
あらゆる人間関係は距離感で違ってきます。
良好な人間関係を築くことは、良好な距離感をとることでもあります。
今日は川北義則氏の「人との距離感がわかる人、わかっていない人」を参考に、人間関係の距離感について考えます。
距離感を保ってリラックスして接する
人間関係は、最初から力を入れ過ぎないことが大切です。
初対面のときは方の力を抜いてリラックスすること。
自分に自信がないと、リラックスして人と接することに抵抗があるかもしれません。
何かボロが見えてしまうと、そう思うかもしれません。
けれど、
近づきすぎなければボロは見えないのです。
こっちが気を遣っていたら、相手も気を遣います。
距離感を保ってリラックスして接することが、相手と良好な関係を築くことに役立ちます。
「遠慮」を使いこなせると、人との距離が上手にとれる
人との距離感を詰めるのが上手い人、人のいじり方が上手い人は、
いきなり人の懐にズケズケと入ってくるようでいて、越えてはならない一線をわかっています。
礼儀の距離感をわきまえているのです。
「ここはちょっと遠慮しておこう」と一歩引くことで、人間関係が円滑になることはよくあります。
「遠慮」を使いこなせると、人との距離が上手にとれます。
また、人との距離感のとり方が上手い人は、相手に気楽さを与えてくれます。
「高級ホテルの最上階を予約したから一緒に行こう」
ではなく、
「最近暑いし、この前いいお店見つけたからよかった今度飲みに行こう」
相手が気楽に返事をできるような言い回しをします。
要するに重くないのです。
人を誘うときにやってはいけないのは、大ごとのように誘うことです。
気楽に断れる状況でないと、相手に負担がかかります。
失敗談を話す、愛嬌のある人
精神科医の斎藤茂太氏によると、
「人間というものは、ちょっとスキがあったほうが人に好かれるものだ。一点の非もない人間よりもどこかスキのある人のほうが人に好かれる」
のだそうです。
もちろん世の中には完璧なカリスマ性で人を惹きつける人もいるかもしれません。
けれど、
コミュニケーションや空気を読むことが苦手なら、完璧を目指すよりどこかスキのある憎めない人を目指す方が人間関係はうまくいきます。
良好な人間関係の会話は、自分が話すだけでなく相手に楽しく話してもらうことが必要です。
相手に楽しく話してもらうためには、
相手が「実は私もこんなことがあって」と反応してくれそうな話をまずこちら側がする必要があります。
こういう、相手の話を引き出すための話を、評論家の川北義則氏は「呼び水」と言っています。
呼び水としての話でおすすめなのが「失敗談」です。
自分の長所をさりげなく織り交ぜながら、ダメなところも披露するのがいい失敗談です。
おわりに
アメリカの思想家、ラルフ・W・エマーソン氏は
「私の会う人すべて、必ず何かの点で私より勝っている。私は常にその点をその人達から学ぶことにしている」
と言っています。
人は誰でも無知です。
だから無知を馬鹿にする人がいたらその人こそ無知なのかもしれません。
けれど「自分は無能なんだ」と開き直られても困ります。
弱みに対して開き直るのではなく、自分の弱みを素直に認めて教えを請う姿勢が人に好かれるものです。
完璧な人間などいませんし、少しスキのある人間のほうが好かれます。
謙虚な姿勢は大切なものです。
その他の記事
参考資料
川北義則『人との距離感がわかる人、わかっていない人』三笠書房、2015年