教師に研修は必要か?
教員の研修が、教育の質に影響するのでしょうか?
教育の質を上げるためには、教師の質を上げることが必要で、そのために教師を対象にした研修を行う。
理にかなってはいそうですね。
しかし実際のところ効果のほどはどうなのでしょう。
昨今の教育学の研究によると、
教員研修が教員の質を高める因果関係はないという結論が多いです。
以下、もう少し詳しく。
日本の勤勉な先生
国際数学・理科教育動向調査によると、
日本の小・中学校の先生の約50%は1年間になんらかの研修を受けているそうです。
確かに、子供の担任の先生が研修のため1日不在というのはたまに耳にしますよね。
ただでさえ日々の授業やその他の業務が忙しい中、先生達は勤勉ですよね。
一方で、
そういった研修を受けた場合と受けなかった場合で現場の教育がどう変化したか、子供達にどんな影響があったのか。
その因果関係がわかってはじめて研修を行う意義がわかります。
「教師の教育だって大切だ」というのは感覚的にそんな気がしますね。
その一方で、「少し研修を受けたくらいで教育が変わるのか?」という疑問もなくはないですね。
自分達に置き換えても、社員研修を何回か受けたくらいで自分が劇的に変わったかというと・・・
という感じですよね。
実際のところどうなのでしょう。
教員研修の因果関係
ミシガン大学のジェイコブ教授、ウィスコンシン大学のハリス准教授など多方面から教育の質と研修の関係は研究されています。
これらによると、
教員研修は教員の質に影響しないという説が有力です。
結局のところ、
研修を数回実施したくらいで先生の教育法が劇的に変わり子供達の成績なり生活面の質などが上がるわけではないのですね。
まあ、身も蓋もない話ですが。
おわりに
世の中には「なんとなく良さそう」といった物事や取り組みがたくさんあります。
学校なんかでもそういうことが多そうですよね。
しかし、
医療現場において科学的根拠のないまま手術でメスを入れることはないように、何かの取り組みについて科学的根拠は大切です。
科学的根拠のことを「エビデンス」なんて言ったりします。
大切な子供達に関わる教育においても、科学的根拠は非常に重要でしょう。
一方で、
日本は海外と比べると教育におけるエビデンスが遅れていて、「なんとなく良さそう」といった取り組みが目立ちます。
少しずつ、理にかなった教育が浸透していくといいですね。
その他の記事