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学習障害(LD)児が算数で困ること
学習障害の場合、算数においては「基礎となる数概念の理解」「スムーズな計算」「文章理解」などに困難さを示す可能性があります。
解説
学習障害(LD)とは
文部科学省の定義としては、学習障害は全般的な知的発達に遅れはないのに「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す状態とされています。
つまり学習障害(LD)とは、知的な遅れがないのに「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」のどれかが著しく苦手な状態のことです。
そして、この中で算数障害は計算や数学的な推論に困難さを示します。
文部科学省の調査によると、通常学級に在籍する児童のうち「計算する」「推論する」に著しい困難さを示す児童の割合は2.3%となっています。
算数障害の症状・具体例
算数障害として呈する症状、課題としては以下のようなものが考えられます。
- 数の三項関係の理解についての困難さ
- 連続量や分離量、序数性といった数概念の理解の困難さ
- 計算スキルの困難さ
- 文章理解の困難さ
「数の三項関係」や「連続量・分離量」といった言葉は一般的には聞き慣れないものと思うので、後述します。
文章理解の困難さは国語的な側面も含むでしょう。
そして、算数障害において「計算スキル」は最も困難な学業スキルの1つであると同時に、日常生活に不可欠なスキルと考えられています。
計算スキルは具体的には「小さな計算(暗算)」と「大きな計算(筆算)」に分けられます。
計算はただできるだけでなく、スムーズにスピードを持って解ける「流暢性」と間違わない「正確性」の両立が重要です。
個別の解説
数の三項関係とは
連続量・分離量とは
参考資料
『九九学習で誤答率の高い九九の要因と特異数』(一般社団法人 日本LD学会)2021年12月16日閲覧
『算数障害を有する児童に対する九九の自動化のための学習支援』(上越教育大学)2021年12月16日閲覧
『通常の学級に在籍する児童への特別支援学校のセンター的機能を通したわり算指導に関する一考察』(一般社団法人 日本LD学会)2021年12月16日閲覧