漫画を読むと子供の国語の成績は下がるのか?
漫画を読むと国語力が落ちる・成績が下がるとは限りません。
しかしながら研究によっては漫画を読んでいる人のほうが読んでいない人よりも読解力が低いという結果もあります。
もしも読書の時間があって、それを国語力につなげたいのであれば、小説など他の本のジャンルの読書が賢明と言えるでしょう。
解説
読書のジャンルに関する研究
OECD(経済協力開発機構)の調査によると、漫画を読まない群のほうが読む群よりも読解力が高かったという報告があります。
この研究では読書のジャンルをフィクション・ノンフィクション・新聞・雑誌・漫画(コミック)の5つに分けて調査をしています。
フィクションをはじめとし、基本的には読書の量は読解力の高さと関連していましたが、漫画の場合はその逆の結果であったようです。
つまり漫画を読んでいる人は読んでいない人より読解力が低かったということです。
読書の研究の難しさ
読書と国語力の関連だけでなく、基本的に教育に関する研究は結論付けが非常に難しい研究テーマです。
調査対象が大規模になりますし、「A君にはこういう教育をするけれどB君にはしない」といった実験は倫理的に難しいからです。
このため読書と子供の学力に関する研究も様々な見解があり確実に正解の1つの答えがあるわけではありません。
漫画を読むことと国語力の関係も、ネガティブなものであると完全に決めつけるのはまだ難しいと言えるでしょう。
一方で、読書が読解力や語彙力と関連しているというのは複数の研究で報告されており、比較的信憑性が高いものであると考えられます。
小説や伝記といったいわゆる「読書」を行うことは少なくとも有意義かもしれません。
読書のジャンルと国語力の関係
参考資料
『複数の読書量推定指標と語彙力・文章理解力との関係』(一般社団法人 日本教育心理学会)2023年6月13日閲覧
『語彙力・文章理解力の発達に及ぼす読書のジャンルの影響』(日本読書学会)2023年6月25日閲覧