軽度認知機能障害(MCI)とは?
軽度認知機能障害(MCI)とは、正常と認知症の中間といえる状態のことを指します。
そのための一歩手前の状況とも表現できます。
解説
位置づけ
正常と認知症の中間を指す軽度認知機能障害は、厳密には特定の「疾患」を表すというよりはその人の「状態」を表す言葉です。
軽度認知機能障害は病理学的にはアルツハイマー病の前段階と考えることができます。
そのため軽度認知機能障害は物忘れなどの記憶に関する症状がポイントになっていきます。
以下、軽度認知機能障害の定義を示します。
定義
厚生労働省によると、軽度認知機能障害は以下のような定義になります。
- 年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する。
- 本人または家族による物忘れの訴えがある。
- 全般的な認知機能は正常範囲である。
- 日常生活動作は自立している。
- 認知症ではない。
以上のように物忘れなどの記憶障害を認めつつ、日常生活に問題はまだ生じていない状態が軽度認知機能障害の特徴と言えます。
予後
軽度認知機能障害は10~15%の人が認知症に移行すると考えられています。
日常生活自体は送れる軽度認知機能障害ですが、できるだけ早期の診断・予防が必要であることがわかります。
予防方法
軽度認知機能障害は「軽度」という名称は付いているものの、実態は認知症の一歩手前の状態になります。
そのため認知症のリスクという観点で考えると軽度認知機能障害者は認知症に関するハイリスク群と言えます。
軽度認知障害の予防方法は認知症と同様で、健康的で目的的な生活が基本となります。
そしてどんな活動も「やらされている」のではなく本人の主体性が大切です。
よって何か特定の方法のみが予防方法に挙がるわけではありません。
その人が意欲的に取り組める健康的な活動が予防方法です。
そうは言っても何か目安が欲しい人もいるでしょうから、以下に認知症の予防につながる活動や生活習慣の一例を挙げていきます。
認知症の予防方法の例
補足記事
参考資料
『軽度認知機能障害の神経病理学』(日本神経学会)2021年5月30日検索
『軽度認知障害』(厚生労働省 e-ヘルスネット)2021年5月30日検索