音韻分解課題(モーラ分解)とは?
音韻分解課題とは、言葉の音の数を把握する力を見る課題のことです。
単語の音をモーラ単位で区切るため、モーラ分解課題とも言われます。
音韻分解課題は音韻操作能力(音韻意識)を見る課題の1つです。
「音韻操作能力」および「音韻意識」は、言葉の音の数や位置などを正しく把握し扱える力のことです。
文字を読んだり書いたりするには、音韻意識の力は重要です。
このため子供の言葉の発達、とりわけ文字の読み書きや明瞭な発音のためには、音韻意識の評価は重要な観点の1つと言えます。
解説
音韻分解課題の概要
モーラ分解の評価方法の例としては、紙に書かれた丸の上に単語の数だけおはじきを置いてもらいます。
単語は以下のように分けることで、その子の音韻意識の程度を評価しやすいでしょう。
- 直短音のみ(以下のものを含まない)
- 拗音あり(小さい「やゆよ」がある)
- 長音あり(「ー」がある)
- 拗長音あり(「きゅー」などがある)
- 促音あり(小さい「つ」がある)
- 撥音あり(「ん」がある)
音韻分解課題の例
音韻分解検査の単語選定としては、モーラ数の違いや特殊音節の有無などに着目してバランスよく選定します。
また、対象児がモーラ分解をできているのか、音節分解にとどまっているのか、それ以外の誤答になっているのかも評価すると有意義です。
以下に、例となる単語を挙げていきます。
【1モーラ】
・手
・目
・蚊
・火
・木
【1音節(特殊音節あり)】
・象
・龍
・サイ
・ろう
・らん
【2モーラ】
・蝉
・空
・橋
・水
・靴
【2音節、3モーラ以上】
・ジュース
・りんご
・きりん
・電話
・風船
【3モーラ】
・うさぎ
・からす
・すずめ
・積み木
・テレビ
【3音節、4モーラ以上】
・鉛筆
・冷蔵庫
・自転車
・ブランコ
・新聞紙
参考資料
『仮名読みの獲得過程に対する音韻操作能力の関与』(日本音声言語医学会)2024年1月26日閲覧
『健常児における音韻意識の発達』(日本コミュニケーション障害学会)2024年1月27日閲覧
『幼児における音声産出能力の発達と音韻意識の関係』(日本コミュニケーション障害学会)2024年1月20日検索