音韻抽出課題(モーラ抽出)とは?
音韻抽出課題とは、言葉の中から特定の音を抽出できるかを見る課題のことです。
対象の音はモーラ単位の音であるため、モーラ抽出課題とも言えます。
音韻抽出課題は音韻操作能力(音韻意識)を見る課題の1つです。
「音韻操作能力」および「音韻意識」は、言葉の音の数や位置などを正しく把握し扱える力のことです。
文字を読んだり書いたりするには、音韻意識の力は重要です。
このため子供の言葉の発達、とりわけ文字の読み書きや明瞭な発音のためには、音韻意識の評価は重要な観点の1つと言えます。
解説
特定の音の有無
例えば「か」など特定の音が単語のどの位置にあるかおはじきを置いて答えてもらいます。
語頭・語尾・語中だけでなく、そもそも「か」を含まない単語で「か」の有無を判断できるかも見ます。
目安としては3モーラ程度の単語で行います。
単語内の音の位置
特定の音の有無を判定できたら、今度は単語内の様々な音で出題します。
単語に含まれる1モーラを口頭で出題し、文字の位置におはじきを置いてもらいます。
目安としては4~5モーラ程度の単語を選定します。
直短音のみ、拗音あり、長音あり、撥音ありなどバリエーションを変えながら評価していきます。
ちなみに拗音とは小さい「ゃゅょ」、長音は「ー」、撥音は「ん」のことです。
語頭音抽出
絵カードを複数並べ、「最初に『あ』が付くのはどれでしょう?」など出題して答えてもらいます。
はじめは2~5モーラの単語を3択程度で行うと良いでしょう。
参考資料
『仮名読みの獲得過程に対する音韻操作能力の関与』(日本音声言語医学会)2024年1月26日閲覧
『健常児における音韻意識の発達』(日本コミュニケーション障害学会)2024年1月27日閲覧
『幼児における音声産出能力の発達と音韻意識の関係』(日本コミュニケーション障害学会)2024年1月20日検索