吃音は自然回復するのか?
吃音は発症後4年でおよそ74%の人が自然回復します。
このため吃音において発症からの年数把握は重要です。
吃音が一過性か慢性的かの見極めの1つが発症からの4年間であると言えます。
解説
自然回復する吃音
吃音は2~4歳児のおよそ5%が発症し、その後4年ほどかけて74%の子が自然回復していきます。
このため最終的には吃音の有病率は人口の1%ほどになります。
このように吃音は発症しても一過性で終わる場合もあれば生涯にわたって持続していく場合もあります。
吃音の消失はあくまで「自然回復」であり、何か特別な処置を施した結果ではありません。
現在の医学では、吃音の根本的な治療法は確立されていません。
吃音の経過
吃音を発症した子供の内、およそ3分の1は1年半以内に自然回復します。
そして最終的には発症後4年で7割強の子が自然回復します。
このため発症直後~1年半以内で回復した子を早期回復、1年半~3,4年で回復した子を遅期回復と位置付けます。
そして吃音が4年以上続いている場合、(以後は回復しないと断言はしないものの)吃音が持続しているととらえることが多いです。
自然回復の男女比
吃音は発症から3年後までに男児の60%、女児の80%が自然回復します。
このように、吃音は女児のほうが自然回復する確率が高いです。
このため最終的な吃音の有病率は男性が多く、男女比は4:1となっています。
吃音の遺伝
吃音は遺伝する傾向が指摘されています。
その確率は15%であり、つまり吃音のある親から生まれか子供は15%ほどの確率で吃音が遺伝する可能性があります。
遺伝の傾向は吃音の自然回復・持続の傾向についても言えます。
親や親戚に吃音が持続している人がいる場合、子供の吃音の持続も通常より可能性が考えられます。
補足記事
参考資料
『吃音症の遺伝学』(日本小児耳鼻咽喉科学会)2021年11月20日検索