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幼児期の会話の特徴
幼児期は年齢によって会話の質が異なります。
これは言葉の発達状況が背景にあります。
概要としては
3歳頃から一方的に話す冗長的な会話が始まり、
4歳頃から言葉のキャッチボールが深まり、
5~6歳頃から相手をより意識した会話が始まります。
子供会話能力の発達
子供の言葉の発達を見る検査の1つに、
質問応答関係検査
というものがあります。
検査者の質問に対して子供が答える内容を見る検査であり、まさに子供の会話能力を見る検査です。
質問応答関係検査には子供の会話能力の発達について研究した論文があります。
これらを参考に1~6歳の会話の特徴をそれぞれ見ていきます。
1~6歳の会話の特徴
1歳
1歳は単語が出始める時期です。
車を見て「ブーブー」と言う。
ごはんに対して「まんま」と言う。
このように発する言葉と意味がきちんと対応している言葉を「有意味語」と言います。
1歳は有意味語が出始める時期です。
2歳
2歳頃は2語文が出始める時期です。
「まんま たべる」
「ブーブー あった」
など文での表現が少しずつ出始めます。
また、会話については「連想」が特徴的です。
連想とは文字通り他者の言葉から連想して言葉を言うような状況です。
例えば「ブーブー(車)は好き?」と聞くと「ブーブー乗った!」「大きいブーブー!」など、
必ずしも言葉のキャッチボールではなく、自分が知っていることを話す感じです。
3歳
3歳の会話は「冗長性」と「範列的」な表現が印象的です。
冗長性とは状況や文脈に応じるわけでなく、ただダラダラと話すような状況です。
範列的とは一部言葉を入れ替えただけで、同じような言い回しで表現することです。
4歳
4歳頃になると会話に「継続性」と「系列性」が見え始まます。
継続性とはまさに言葉のキャッチボールですね。
1つの話題に沿った会話ができ始めます。
系列性とは、時間軸や話の順序が整うことです。
3歳頃までは話す内容の時間軸や順序がバラバラですが、4歳以降から少しずつこれらが整っていきます。
5歳
5歳頃の会話の特徴は、比較的「詳細な説明能力」がついてくるのがポイントです。
~とはどいういうことなのか?
どうして~するのか?
そういった説明ができるようになってきます。
6歳
6歳頃は論理的な説明や要約した説明ができはじめる時期です。
これは相手の立場に立ってわかりやすく話すことの始まりでもあります。
おわりに
各年齢における会話の発達の詳細は以下をご参照していただければ幸いです。
幼児期の会話は年齢によって非常に特徴的で、おもしろいなあと思います。
年齢別の会話の発達
参考資料
『質問一応答関係検査1』(J-STAGE)2018年6月20日検索
『質問一応答関係検査2』(J-STAGE)2018年6月20日検索