OHATとは?
OHATは「オーハット」と読みます。
「Oral Health Assessment Tool」の頭文字を取って「OHAT」とされます。
直訳すると「口腔の健康状態の評価方法」といったところでしょうか。
OHATとは口腔の健康状態を客観的に捉えるための、簡易的な評価方法の1つです。
OHATの解説
OHATはもともと海外で作られた評価ツールです。
そのため日本語訳されたものは厳密には
「ORAL HEALTH ASSESSMENT TOOL 日本語版」、
略して「OHAT-J」とされます。
ただ実際の現場では「OHAT(オーハット)」という表現で十分かとも思います。
口腔の健康状態が誤嚥性肺炎のリスクにつながるというのはよく聞く話です。
しかし何をもって「口腔状態が健康的である」とするのかは定義があいまいであったりします。
ちょうどこれは歯磨きと似ています。
歯磨きを10秒ぼーっとして「きれいに磨いた」と思う人もいれば、5分間隅から隅まで磨いてはじめて「磨いた」と思う人もいるでしょう。
そういった十人十色の価値観がある中で、
口腔の健康状態を客観的に捉え基準をそろえるのがOHATです。
OHATの実際
OHATの評価方法は藤田医科大学がネット上にも公開しています。(詳しくは参考資料欄のリンク)
具体的には「口唇」「舌」といった口腔の健常状態に関わる8個の項目をそれぞれ3段階で評価します。
3段階の評価は
0:健全
1:やや不良
2:病的
とし、
点数が高いほど口腔の健康状態が良くないと判断します。
おわりに
口腔の健康状態は食べることや飲み込むこととも関わってきます。
そのため摂食嚥下障害の評価の1つとしても、口腔の健康状態の把握は大切です。
ただしOHATはあくまで口腔の健康状態の評価であり、口をどれくらい動かせるかといった機能評価ができるわけではありません。
そのため摂食嚥下障害においてはMASAなどその他の評価を併せて用います。
摂食嚥下障害の評価方法一覧
参考資料
『摂食嚥下障害の評価 2019』(日本摂食嚥下リハビリテーション学会)2020年8月3日検索
『口腔ケアと誤嚥性肺炎予防』(日本老年歯科医学会 J-STAGE)2020年8月24日検索
『口腔アセスメントシートOral Health Assessment Tool日本語版(OHAT-J)の作成と信頼性,妥当性の検討』(日本障害者歯科学会 J-STAGE)2020年8月24日検索
『ORAL HEALTH ASSESSMENT TOOL 日本語版(OHAT-J)』(藤田医科大学)2020年8月24日検索