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「お母さんと先生が書くソーシャルストーリー」レビュー

タイトル通り、
ソーシャルストーリーの考え方と作り方がわかる1冊である「お母さんと先生が書くソーシャルストーリー」。
内容や構成もシンプルです。
書籍として「読む」というよりは、
発達障害の支援において「使える」1冊かなと思います。
まさに実用書といった位置づけですね。
ソーシャルストーリーは文字に起こしていくものですが、
個人的には、
ソーシャルストーリーの考え方や作り方を学ぶことは、発達障害児とのコミュニケーションや言葉かけのヒントにもなり、重宝する知識だと思います。
「お母さんと先生が書くソーシャルストーリー 新しい判定基準とガイドライン」とは?
発達障害の支援方法の1つであるソーシャルストーリーについての本である「お母さんと先生が書くソーシャルストーリー」。
ソーシャルストーリーという技法の生みの親であるキャロル・グレイ氏の著書であり、日本語訳の本になります。
全体で130ページ程度であり比較的読みやすい構成になっています。
内容としてはソーシャルストーリーに対する考え方と、
ソーシャルストーリーを作るための10のルールが解説されています。
実際に読んでみて
10のルールを詳細に書くことはここでは控えますが、
例えばソーシャルストーリーでは
「2人称ではなく1人称あるいは3人称で書く」というルールがあります。
具体的には
「朝は挨拶をしなさい」という指示・命令ではなく、
「私は朝、挨拶をします」や「私達は朝、挨拶をします」
のように視点を変えた伝え方で社会のルールや人間関係で気をつけることを書いていきます。
そのほうが相手も嫌な気持ちをしないし、すっと入るからです。
こういう伝え方の工夫のようなものは、
ソーシャルストーリーを書く場面だけでなく、日常の言葉かけにも使えるなあと思いました。
おわりに
「お母さんと先生が書くソーシャルストーリー」は読みやすく実用的で良著です。
ただ、ソーシャルストーリーに限らず、
発達障害に関する支援技術って権利関係がくどい印象を受け、本書も例外ではないなあと思います。
ソーシャルストーリーは登録商標化されているそうで、そのあたりの権利主張が本書の文脈から感じます。
当然の権利を主張するのはいいのですが、
なんだかそれを通り越して
支援者を自分達のセミナーや団体で囲もうとする変な圧力を感じるんですよね。
あくまで個人的な印象なのですが。
まあいずれにせよ、
内容としては非常に実用的なので、持って損はない1冊だと思います。
参考資料