お金は用途で分けて管理する
お金を用途に分けて管理することは、節約や貯金に寄与することが期待できます。
お金に困ったり貧困に陥る際、「手を付けてはいけないお金」を「手を付けてはいけないタイミング」で使ってしまうことが多いです。
解説
自分に固定給を払う
経済学者のアントワネット・ショアーの調査によると、成功している事業主はお金を用途に応じて分けている様子が見られたそうです。
売上金の中から自分に固定給を払っており、つまり事業の資金と自分の生活費を混在せず線引きを行っていたということです。
このようにお金の使い道を分類することで、「どこまで使っていいか」という迷いをなくします。
これは脳の処理能力を軽減し、日々の事業や生活に意識を集中させることにも役立ちます。
お金を分類する
会社勤めに人によっては事業資金と生活費の線引きはあまり縁がない話かもしれません。
しかしながらお金に役割を持たせて分けて管理することには一定の示唆があります。
一番わかりやすいのは「貯金」でしょう。
貯金ができる人ほど「余った分を貯金しよう」ではなく「給料が振り込まれた時点で天引きする」方式をとっていることが多いです。
貯金以外にも日々の生活の中でお金の役割は様々です。
飲み会などの「娯楽費」、携帯料金などの「固定費」、急な結婚式などのご祝儀に使う「緊急費用」。
これらを限りある収入の中でどのように配分するか考えておくと、使い過ぎやそれに伴う逼迫(ひっぱく)を避けることができるでしょう。
時間の分類
用途に応じて限りある資源を分類することは「お金」だけでなく「時間」にも役立つかもしれません。
真面目な人ほど仕事や勉強に時間を費やし身体を壊しがちです。
「休息」や「睡眠」の時間をあらかじめ決めて固定することで健康を維持できます。
逆に、ついダラダラと時間を過ごしてしまいがちな人は、1日の中で「どのくらいまではダラダラしていいか」を決めるのも有効かもしれません。
ダラダラするのが悪いわけではなく、その程度、つまりどのくらいダラダラするのかがポイントです。
時間を決めてメリハリをつけるのであれば、その「ダラダラ」は「休息」になるでしょう。
参考資料
センディル・ ムッライナタン、エルダー・ シャフィール『いつも「時間がない」あなたに 欠乏の行動経済学』早川書房、2015年 p225