育児・教育コラム

お小遣いはいつから? 子供を伸ばすお小遣い教育法

公開日:2017年4月16日

子供にはいつからお小遣いをあげたらいいでしょう?
どういうふうにあげたらいいのでしょう?
親の誰もが一度は考える問題。

お小遣いとは子供がお金について学ぶ大切な機会です。

上手なお小遣いの上げ方は子供の成長を促し、
逆に間違ったお小遣いの与え方は子供に間違った金銭感覚を植え付けます。

今日は子供のお小遣いについて考えていきましょう。
 
 
 

なぜお小遣いをあげるのか?

 
なぜ子供にお小遣いをあげるのでしょう?
親は子供にお小遣いを通して何を学ばせてあげればいいのでしょう?

お小遣いは、
子供が自分で自分の欲求をコントロールすることを学ぶための学習教材なのです。

「今日はお小遣いがあるからお菓子を買おう」
「このおもちゃを買うとあのおもちゃを買えなくなるから我慢しよう」
「お金を貯めてあの絵本を買おう」

お小遣いがあることで、自分が何をどのくらいの期間我慢すればいいかが明確になります。
その明確さの中で子供は計画性や我慢強さを身につけていきます。

 
 
 

「○○をしたいから、今は△△をがんばろう」

 
遊びたい⇒先に宿題を終わらせる⇒ゆっくり遊べる
「○○をしたいから、今は△△をがんばろう」という姿勢は一生を通して大切な資質です。

このような資質は「欲求を先延ばしにする力」と言われたりします。

「欲求を先延ばしにする力」を身につけるためには、
遊びと宿題といったような一見すると対極にある物事が実は自分のために大切なことなんだと気づく力が重要です。

お金はそれ単体では食べることも遊ぶこともできません。
しかしお金によっておいしいものを食べたりおもちゃを買うことができます。

お小遣いは欲求を先延ばしにする力を養うためにはうってつけの教材です。
 
 
 

お小遣いのあげ方は2ステップ

 
お小遣いのあげ方は段階的に分けて行います。

1段階目は保育園の年中~年長さんの時期です。
2段階目は小学校3,4年生~5,6年生にかけてです。

1段階目と2段階目ではお小遣いのあげ方が異なります。

補足記事:年中・年長って何歳? 子供の年齢区分の一覧表
 
 
 

Step1.お小遣いチケット

 
先ほど書いた通り、「○○をしたいから、今は△△をがんばろう」という思考は大切な資質です。

「欲求を先延ばしにする力」が身につくのは早くて保育園の年中から年長さん。
つまり5~6歳頃です。この頃からお小遣いの概念を入れていってよいでしょう。

ただし5~6歳という時期は、早い子でもせいぜい指で数えられる程度の足し算しかできません。
桁が多いお金の計算はできないのです。

しかし先述したとおり、お小遣いの意義はお金の計算ではなく「欲求を先延ばしにする力」の成長の促しです。

そこで6歳前後のお子さんには本物のお金によるお小遣いではなく、「お菓子チケット」や「おもちゃチケット」をあげます。

お菓子チケットはその子が好きなお菓子と交換できます。
言ってみればお金を扱う前段階の練習です。
 
 
 

チケットの使い方

 
チケットのポイントは、
・そのお菓子やおもちゃは子供が本当に好きで欲しいものであること。
・チケット1枚で交換できる物は多すぎず少なすぎないこと。
・チケットを子供がもらえるタイミングはルールを決めてそれを守ること

チケットがあればお菓子がもらえる。
しかしチケットは無限にはないから自分でペース配分を考える。
そのような経験を子供は積んでいきます。

チケットは無尽蔵にあげてはいけません。
1日1枚など期間で決めてもいいですし、お手伝いしたら1枚など行動で決めてもいいです。
大切なのは子供がルールをしっかり理解していること。
そしてルールを子供も親も守ることです。
 
 
 

チケット交換ができてきたら

 
チケット交換が上手くできてきたら、
「1枚じゃあ飴しか交換できないけど、チケット貯めて2枚にすればアイスと交換できるよ」など計画性を持つことで得をする仕組みを入れてそれとなく子供に提示します。

ここで大切なのはあくまで提案であり強制しないこと。
子供が自主的に選択することが大切です。

そして子供が2枚貯めて、次の日に見事アイスと交換できた日は、
「○○ちゃんが昨日チケットを貯めておけたからアイスおいしいね~」など
「○○をしたいから、今は△△をがんばろう」という経験が報われたことを褒めてあげましょう。
 
 
 

Step2.本物のお金

 
本物のお金によるお小遣いをあげるには2つの基準があります。

1つ目は欲求の先延ばしができること。
2つ目はお金を扱う上での計算ができること。

この2つの条件をクリアしてはじめてお小遣いは子供にとって有意義なものになります。
逆にこれらができていなければお小遣いを渡しても子供は散財してしまうだけでしょう。

2つ目の条件であるお金の計算とは具体的には
足し算・引き算・掛け算・割り算ができること。
3~4桁の数がわかること。

つまり本物のお金によるお小遣いは小学校3,4年生~5,6年生の時期に相当します。
 
 
 

金額は?

お小遣いの金額はその子の年齢や家庭環境によってまちまちなので一概には言えませんが、原則は共通しています。
お小遣いの金額の決め方はStep1のチケットと一緒です。

つまり、
・その子が本当に欲しいものを買えるような金額
・しかし一度で買えるのではなく貯めたり工夫したりする必要がある金額
・お小遣いを渡すルールは共有し、しっかり守る。

しっかりがんばれば欲しいものが手に入るという「可能性」が大切です。
2000円の本が欲しいのに毎月のお小遣いが1円じゃあ目標が遠すぎてモチベーションは上がりません。

諦めずに頑張れる金額設定が大切です。

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