コミュニケーションの対象年齢考察

おもちゃの取り合いは何歳まで?|子供のコミュニケーションの発達

公開日:2023年3月11日


 
 

おもちゃの取り合いはいつまで?

 おもちゃの取り合いは1~2歳頃から見られると考えられます。
 そして3~4歳頃には、大人の促しでおもちゃを譲ってあげたり貸してあげたりできるようになってくるでしょう。

 ただし、こういった対人関係(コミュニケーション)の発達には個人差があります。
 またどのような状況か、日々の躾はどのような言葉かけで行っているかなどの環境要因も影響するでしょう。
 このためあくまで目安と言えます。

 
 
 

解説

おもちゃの取り合いが始まる時期

 子供の発達を見る検査である津守式乳幼児精神発達質問紙によると、1歳頃におもちゃを取り合うような様子が見られるが示唆されています。
 (もちろん取り合わないからダメというわけではありません)

 おもちゃを独り占めすることが良いことかと言えばそうとは言えないでしょう。
 しかし「自分の物」という認識や「所有している」という認識が芽生えることは、子供の発達において大切な経過の1つと言えます。

 
 

おもちゃを貸してあげる時期

 上述の検査やそのほかポーテージ早期教育プログラムKIDS乳幼児発達スケールなどを含めて見ると、2歳前後くらいからおもちゃを「貸してあげる」ような対人コミュニケーションの芽生えも見られます。

 例えば0歳児のような赤ちゃんは、そもそもおもちゃに対する執着がなかったり、自分の物であるという認識がまだ希薄であったりします。

 まずは目の前のおもちゃが自分の物であるという気持ちや認知が芽生え、そこに対人意識が合わさっておもちゃを共有したり貸してあげたりできるようになっていきます。

 
 

おもちゃを独り占めしない、貸してあげるために

 親が子供に「独り占めしないで貸してあげなさい」と促すのは、よくある子育ての光景かと思います。

 個人差があるので一概には言えませんが、「貸してあげなさい」といった促しは2~3歳前後からが妥当でしょう。
 あまりに早すぎる時期では子供が理解できずただの威圧的な言葉になってしまうでしょうし、遅すぎれば独り占めが習慣化してしまいます。

 また、「子供がおもちゃを他の子に貸してあげているか」といった行動だけでなく、その背景にあるその子のコミュニケーション面の発達を見てあげることが重要です。

 おもちゃを貸してあげて相手が嬉しそうにする。おもちゃを一緒に使って楽しい。そういった他者とのやりとりに子供自身が喜びや意味を見出せているかが重要です。
 そうでなければ、おもちゃを貸す行為がただ大人に言われたからそうしているだけになってしまいます。

 さらに、「貸してあげなさい」と大人が厳しくし過ぎていないかも重要です。
 いつでもおもちゃは貸さないといけなくて、自分は全然遊べないでは子供は悲観的になってしまいます。

 大人も子供も、自分が他者から大切にされることで初めて自分も他人を大切にしようと思えるのではないでしょうか。

 「貸してあげなさい」と半ば叱るような声掛けだけでなく、例えば親子でたっぷりおもちゃを使って遊ぶなど、子供が十分な満足感を得る時間を設け上での「貸してあげなさい」のほうが、子供も納得しやすいかもしれません。

 
 
 

参考資料

-コミュニケーションの対象年齢考察

テキストのコピーはできません。