音韻意識は何歳から?
音韻意識は文字通り「音韻」を「意識できる」能力です。
音韻意識は発音や文字の学習にとって大切な能力の1つです。
音韻意識が芽生えるのは何歳頃からなのでしょう。
個人差はありますが、
音韻意識が身につきはじめるのは、5歳前後です。
音韻意識と子供の発達
子供の発達を見る検査に、津守式乳幼児精神発達質問紙というものがあります。
子供の発達を全体的に見ることができる問診形式の検査です。
上記によると、
「あ」のつく言葉など、語頭の音から単語を想起する能力は5歳0ヶ月相当の言語発達と考えられています。
また、全般的な言語検査であるLCスケールでは、
単語の最後の音は何かを抜き出す力は、4歳後半頃の言語発達と考えられています。
音韻意識の発達における音節分解とモーラ分解
音の分解能力は音韻意識による力の1つです。
「赤」という単語を聞いて、「あ・か」と2つの音でできていると思える感覚ですね。
音の分解はもう少し細かく見ると、「音節分解」と「モーラ分解」があります。
音節分解とは、例えば
「サッカーせんしゅ」という単語を聞くと「サッ カー せん しゅ」
と4つの音に分解する感覚です。
これに対し、
モーラ分解とは、例えば
「サッカーせんしゅ」という単語を聞くと「サ ッ カ ー せ ん しゅ」
と7つの音に分解する感覚です。
音韻分解の発達を見ることができる「TK式言語発達診断検査」によると、
音節分解は3歳後半から4歳半ば、モーラ分解は4歳後半以降から可能と考えられています。
おわりに
子供の発達には個人差がありますから、あくまで目安として捉えてもらえれば幸いです。
実生活ではその子自身のペースを大切にしてあげましょう。
音韻意識は発音や読み書きの土台となる能力です。
構音訓練や読み書きの支援においては、この音韻意識の評価とトレーニングを並行して行うことが大切です。
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参考資料
『健常児における音韻意識の発達』(J-STAGE)2020年4月1日検索
『子どもの音韻障害と音韻意識』(J-STAGE)2020年4月2日検索