音韻意識の評価
音韻意識の評価に関しては、
単語を区切りながら発音してもらったり、
言葉を逆から言ってもらったり、
言葉の1文字を抜いてもらったりすることで見ることができます。
音韻意識が身についてくるのは5歳前後であり、
6〜7歳頃には4モーラ単語での逆唱や音の抜き出しが可能であることを目安に見ていきます。
健常児の音韻意識の発達と年齢
上智大学言語障害研究センターの音韻意識に関する論文によると、
逆唱課題で通過率が70%以上になるのは、
5歳で2モーラ単語
6歳で3モーラ単語
7歳で4モーラ単語です。
また、
音削除課題で通過率が70%以上になるのは、
6歳前半で2〜3モーラ
6歳後半で4〜6モーラでした。
逆唱課題も音削除課題もどちらも音韻意識に関わる課題と言えます。
逆唱課題とは言葉を反対から言うことですね。
例えば「くるま」と耳で聞いて「まるく」と反対から言えれば正解です。
音削除課題とは単語から特定の音を抜いてもらう課題です。
例えば「くるま」の「る」の抜くと何になるかという課題です。
この場合正解は「くま」ですね。
「モーラ」とは言葉における音の区切り方の1つです。
詳しくは以下をご参照ください。
音韻意識の検査
以上のように、
音韻意識の能力は音の抜き出しや区切り方、逆唱などによって見ることができます。
音韻意識は子供の発音や読み書きに関連する能力であり、
個別の検査というよりは検査の一部の項目として取り扱われていることが多いです。
具体的には、
などがあります。
おわりに
音韻意識の能力やしりとりなどの言葉遊びから見ることもできます。
そういう意味では遊びの中や普段の会話の中でも情報が得られる能力の1つです。
じゃんけんをして、パーで勝ったら「パイナップル」と同じ歩数進むといった遊びなども使えるでしょう。
その他の記事
参考資料
『健常児における音韻意識の発達』(J-STAGE)2020年4月1日検索
『子どもの音韻障害と音韻意識』(J-STAGE)2020年4月2日検索