音韻意識とは?
音韻意識とは「音韻」を「意識できる」能力です。
音韻とは、その言語において同じように聞こえる音です。
「あ」と「い」は違う音ですね。こういう能力です。
「その言語において」とあるのは、音の認識は言語によって違うからです。
light(光)とright(右)のように、日本語は基本的にLとRの音の違いがわかりません。
でも英語圏の人はわかります。
これは日本語がLとRの音の区別が必要ない言語だからです。
言語の音というのは存在しているから認識できて存在しないから認識しないのではなく、その言語によって取捨選択されているのです。
音韻意識とは音韻を意識できる能力ですが、
では、音韻を意識できるとどうなるのでしょう?
音韻を意識できると、音を分解したり抽出したりできるようになります。
以下、もう少し詳しく。
音韻の分解と抽出力の発達
音を分解・抽出するとはどういったことでしょう?
例えば「くるま(車)」という単語。
音韻意識があれば、「く」と「る」と「ま」がそれぞれ違う音であることがわかります。
違う音とわかるので、「くるま」という単語は「く」と「る」と「ま」という3種類の音で構成されていることがわかります。
これが音を分解する能力、つまり「音韻分解」です。
「くるま」という単語の最後の音は「ま」です。
この「ま」は「ますく(マスク)」の「ま」と一緒です。
このように言葉から音を抜き出す能力が「音韻抽出」です。
音韻意識の発達の実際
音韻意識が身に着く年齢
音韻意識は生まれた瞬間に備わっているものではなく、成長とともに育まれます。
音韻意識は5歳前後に身に着きます。
もちろん個人差はありますが。
音韻意識と読み書きの関係
音韻意識は「読み書き」の能力にも密接に関わります。
「くるま」という単語を耳で聞いても、
「く」「る」「ま」という音に分解できないと文字におこすことはできません。
読み書きをするためには音韻意識の能力が必要なのです。
音韻意識と発音の関係
同様に音韻意識は発音にも大切です。
幼いころのおしゃべりというのはもごもごとして稚拙です。
これが成長する中で一音一音がはっきりとした聞き取りやすい音へと変わっていきます。
明瞭に発音するためには、一音一音めりはりをつけて発音することが必要で、そのためには音韻意識は欠かせません。
おわりに
以上のように、話し言葉にも書き言葉にも重要な力である音韻意識。
音韻意識を高めるには、しりとりなどの言葉遊びが有効です。