音節分解はいつから?
子供の言葉の発達において、音節単位での音韻分解は何歳頃からできるのでしょうか。
個人差はありますが、
音節分解が可能となるのは3~4歳頃です。
解説
音節とは?
「音節」とは言葉の音を母音を基準に区切る考え方です。
音節は「シラブル」とも言われます。
例えば「りんご」は「r i n g o」なので、音節的には2音節とされます。
※今はわかりやすくローマ字表記で説明していますが、正確には音声記号を用いるためな表記が若干異なります。
音節は長音(ー)・促音(っ)・撥音(ん)を数えません。
このため、「バナナ(banana)」は3音節、「みかん(mikan)」は2音節になります。
類似した単位にモーラ(拍)があります。などもありますが、
モーラはこれら長音(ー)・促音(っ)・撥音(ん)を数えるため、日本語の感覚としてはモーラが理解しやすいでしょう。
音節分解とは?
音節分解とは、単語の音を音節の単位で区切ることです。
先述の通り、例えば「りんご」「りん」「ご」2つの音に分解します。
聞いた言葉を文字に書き起こしたり、日本語の音を正確に把握するにはモーラ分解の力が必要です。
つまり「りんご」を「り」「ん」「ご」という3つの要素で意識できなければいけません。
幼児期の場合、音節分解ができてもモーラ分解が難しい時期があります。
例えば「みかん」という単語について、言いながら音の数だけ手を叩いてもらいます。
すると「み」「か」「ん」と3回手を叩くのではなく、「み」「かん」のように2つの音に分けてしまう場合があります。
これはまさしくモーラ分解が未熟であり、音節分解になっている状態と言えるでしょう。
音韻意識が未熟な頃、とりわけ音節分解の時期は長音(ー)・促音(っ)・撥音(ん)の認知が困難です。
音韻意識とはこのように言葉の音韻を正しく認知し、分解したり抽出できる力のことです。
音節分解の力は定型発達において3~4歳頃に見られ、音韻意識の発達に従い徐々にモーラ分解を獲得していきます。
参考資料
『幼児における音声産出能力の発達と音韻意識の関係』(日本コミュニケーション障害学会)2024年1月20日検索