言葉の対象年齢考察 音韻意識

音節分解は何歳からできる?|子供の言葉の発達

公開日:2024年6月1日


 
 

音節分解はいつから?

 子供の言葉の発達において、音節単位での音韻分解は何歳頃からできるのでしょうか。

 個人差はありますが、
 音節分解が可能となるのは3~4歳頃です。

 
 
 

解説

音節とは?

 「音節」とは言葉の音を母音を基準に区切る考え方です。
 音節は「シラブル」とも言われます。

 例えば「りんご」は「r i n g o」なので、音節的には2音節とされます。
 ※今はわかりやすくローマ字表記で説明していますが、正確には音声記号を用いるためな表記が若干異なります。

 音節は長音(ー)・促音(っ)・撥音(ん)を数えません。

 このため、「バナナ(banana)」は3音節、「みかん(mikan)」は2音節になります。

 類似した単位にモーラ(拍)があります。などもありますが、
 モーラはこれら長音(ー)・促音(っ)・撥音(ん)を数えるため、日本語の感覚としてはモーラが理解しやすいでしょう。

 
 

音節分解とは?

 音節分解とは、単語の音を音節の単位で区切ることです。

 先述の通り、例えば「りんご」「りん」「ご」2つの音に分解します。

 聞いた言葉を文字に書き起こしたり、日本語の音を正確に把握するにはモーラ分解の力が必要です。
 つまり「りんご」を「り」「ん」「ご」という3つの要素で意識できなければいけません。

 幼児期の場合、音節分解ができてもモーラ分解が難しい時期があります。

 例えば「みかん」という単語について、言いながら音の数だけ手を叩いてもらいます。
 すると「み」「か」「ん」と3回手を叩くのではなく、「み」「かん」のように2つの音に分けてしまう場合があります。

 これはまさしくモーラ分解が未熟であり、音節分解になっている状態と言えるでしょう。

 音韻意識が未熟な頃、とりわけ音節分解の時期は長音(ー)・促音(っ)・撥音(ん)の認知が困難です。

 音韻意識とはこのように言葉の音韻を正しく認知し、分解したり抽出できる力のことです。

 音節分解の力は定型発達において3~4歳頃に見られ、音韻意識の発達に従い徐々にモーラ分解を獲得していきます。

 
 
 

参考資料

『幼児における音声産出能力の発達と音韻意識の関係』(日本コミュニケーション障害学会)2024年1月20日検索

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