大島分類(横地分類)とは?
大島分類とは、重症心身障害児者の評価方法の1つです。
そして横地分類は大島分類を改訂したものになります。
大島分類も横地分類も、重症心身障害児者の身体機能と知的機能をそれぞれ評価し、そのバランスを見ることができます。
大島分類(横地分類)の意義
脳性麻痺をはじめとした重症心身障害児者は、その状況非常に千差万別で統一した検査での評価が難しいとされています。。
そういった現状から重症心身障害児者の評価は結局「人による」「状況による」といった曖昧な評価になりがちです。
しかしながら、医療や教育の現場においてはエビデンス(科学的根拠)が重要であり、エビデンスに基づくアプローチに欠かせないものが客観的な尺度を用いた評価になります。
千差万別な脳性麻痺や重症心身障害児の方の能力を客観的に評価する方法の1つが大島分類および横地分類です。
大島分類(横地分類)の実際
大島分類
大島分類はその名の通り大島氏が作った評価方法です。
身体能力と知的能力をそれぞれ5段階で評価します。
身体能力は、寝たきり・座れる・歩けない・歩ける・走れるの5段階です。非常にシンプルな項目設定となっています。
知的能力は、IQが20未満・20~35・35~50・50~70・70~80の5段階です。
これらを組み合わせた評価が大島分類のおけるその人の評価になります。
例えば身体能力としては寝たきりですが、知的能力は70~80という人がいれば、
パソコンなどの代替機器でコミュニケーションが取れる可能性があります。
横地分類
横地分類とは、大島分類を改定したもので、基本的な考え方は大島分類と一緒です。
両方とも身体機能と知的機能をそれぞれ評価し、そのバランスで最終的にその人の能力評価に至ります。
大島分類と横地分類の違いは、評価項目の違いです。
身体能力が、横地分類の場合は寝返り不可・寝返り可・座位保持可・室内移動可・室内歩行可・戸外歩行可の6段階に増えています。
知的能力の場合は5段階のままですが、その内容が、言語理解不可・簡単な言語理解可・簡単な色や数の理解可・簡単な文字や数字の理解可・簡単な計算可のようにIQがわからない場合でも評価ができるようになっています。
これらの詳しい判断基準も載っているので、客観的に評価しやすいです。
おわりに
重症心身障害児者を支援していく上で、その人の能力を客観的に知ることは重要です。
しかしながらその手段がなかなか少ないのも現状です。
そのような現状において大島分類や横地分類は役に立つひとつのツールとなるでしょう。
参考資料
『横地分類』(聖隷福祉事業団)2021年5月7日検索