経口摂取準備期とは?
経口摂取準備期とは、文字通り乳児における経口摂取が始まる直前の段階です。
これは一般的な離乳食の開始直前の時期と同様です。
経口摂取準備期は定型発達においては生後4か月頃に相当します。
哺乳反射などが見られ、哺乳を行う段階です。
解説
意義
経口摂取準備期は、摂食機能の獲得段階の一番最初の段階にあたります。
一般に離乳食は生後5~6か月頃から開始されますが、経口摂取準備期はそれ以前である生後4か月頃までを指します。
経口摂取準備期はまだ離乳の開始には不十分であり、次の段階である嚥下機能獲得期から徐々に離乳食を開始していきます。
機能や特徴
経口摂取準備期には、指しゃぶりや哺乳反射が見られる点が特徴です。
哺乳反射とは哺乳に関する一連の原始反射であり、いくつか種類があります。
一例としては、口で乳首や指をくわえると舌をリズミカルに動かして吸う吸啜反射や、口の周辺を刺激するとその方向へ顔を向けて口を開ける探索反射などがあります。
哺乳反射は生まれたばかりの赤ちゃんにとって本能で栄養を摂るための大切な機能です。
しかし哺乳反射は文字通り哺乳、つまり母乳やミルクを飲むための動作を行うものです。
このため物を食べるための動作、すなわち離乳の妨げとなる動作でもあります。
経口摂取および離乳にはこれら原始反射である哺乳反射の消失が必要になっていきます。
原始反射が消失し、各種口腔機能が整いながら、赤ちゃんは経口摂取準備期から次の段階であり嚥下機能獲得期へと移行していきます。
嚥下機能獲得期は定型発達における5~6か月に相当します。
一般的には離乳の開始、つまり離乳初期にあたります。
補足記事
参考資料
『授乳・離乳の支援ガイド(2019)』(厚生労働省)2020年2月25日検索
『摂食・嚥下機能の発達と減退』(一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会)2021年8月19日検索