絵本「ぜったいに おしちゃダメ?」を小児発達学の側面からレビューしたり対象年齢を考えます。
「ぜったいに おしちゃダメ?」は何歳向け?
読み聞かせの絵本として大人気の「ぜったいに おしちゃダメ?」。
「ぜったいに おしちゃダメ?」は何歳向けくらいの絵本なのでしょう?
個人差はありますが、
「ぜったいに おしちゃダメ?」は3歳頃から特に楽しめる絵本なのではないかと考えます。
以下、もう少し詳しく。
「ぜったいに おしちゃダメ?」とは?(あらすじ)
絵本の中に1つのスイッチが。
これは押しちゃダメ。
そう絵本の中の怪獣(?)は言います。
けれど押したい。
ボタンを押してみると・・・
「ぜったいに おしちゃダメ?」は、人間の「してはいけないと言われると逆にしたくなる」といった心理や葛藤を上手くとりあげた絵本です。
「ぜったいに おしちゃダメ?」の読み聞かせ方の解説
アマゾンなどの商品ページをみると、
「ぜったいに おしちゃダメ?」の対象年齢は2歳~6歳となっています。
発達心理学を背景に、もう少し踏み込んで考えてみましょう。
絵本「ぜったいに おしちゃダメ?」のポイントは先述の通り
「してはいけないと言われると逆にしたくなる」といった人間の葛藤です。
「押しちゃダメって言われた。でも押してみたい」という気持ちがわかってこそ、絵本「ぜったいに おしちゃダメ?」は楽しめます。
このためには、
「押したい」と思える好奇心や、「押してはいけない」という罪悪感がないと成立しないでしょう。
子供の発達をみる検査に「KIDS乳幼児発達スケール」というものがあります。
KIDSによると、
いたずらをして親の反応を楽しめるは1歳4カ月頃からとされています。
さらに、
2歳6カ月以降になってくると「してはいけない」と親に言われるとしないように気をつける様子が見られ始めるようです。
以上のように考えると、
「してはいけないけれど、やってみたい。でもそれはいけないしことだし、どうしよう」といった葛藤は2歳後半くらいから芽生えていそうですね。
まとめ
絵本は自由に読んでいいものです。
字が読めなくても、親御さんが読み聞かせてあげれば充分楽しめます。
内容だって、その子なりの解釈で自由な発想を楽しめばいいのです。
だから絵本に対象年齢というものは厳密にはないのかもしれません。
大切なのは親子で時間を共有することです。
しかし一方で、どんな絵本をどのように読むか、どんな意図の下で読むかで子供の成長を促すきっかけになります。
「ぜったいに おしちゃダメ?」は「してはいけない」と言われたことに対する興味や葛藤、自分を律するという心理をうまく取り入れた絵本です。
そのためこの葛藤を感じ始める時期に読み聞かせると物語の展開に沿った楽しみ方ができるでしょう。
個人差はありますが、
「ぜったいに おしちゃダメ?」3歳前後くらいから読み応えのある絵本と言えるでしょう。
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