作業療法士とはリハビリテーションに関する仕事の一つです。
その名の通り「作業」を通してリハビリテーションを行う仕事です。
作業療法士は英語でOccupational Therapistとされ、頭文字をとって現場ではOTと呼ばれることが多いです。
作業療法士は1966年に国家資格が制定されました。
以後、作業療法士とは作業療法士の国家資格を持つ人のことを指します。
作業療法士は理学療法士(PT)、言語聴覚士(ST)などと並ぶリハビリの国家資格です。
現在、日本には約7万人強の作業療法士がいます。
作業療法士が行うリハビリは医療行為であり、診療保険が発生します。
みなさんが風邪をひいて病院に行けば、健康保険証により3割負担で治療が受けられますね。
作業療法士のリハビリも医療行為に該当します。
ただし、作業療法士単独では診療保険は成立しません。
作業療法士は医師が「この人は作業療法が必要」と判断し処方を出した人のみ作業療法を行い保険点数を請求することができます。
つまり作業療法士が診療保険にてリハビリを行うには、医師の診察が必要なのです。
作業療法士はその名の通り作業療法を行います。
作業療法とは作業のリハビリです。
では作業とはなんでしょう?
一般にリハビリというと立ったり歩いたりするリハビリがイメージしやすいでしょう。
これらは人間の基本的な動き、つまり基本動作です。
しかし人は基本動作だけできても生きていくことはできません。
箸を使ってご飯を食べたり、鉛筆で字を書いたり。
靴ひもを結んだり、自転車に乗ったり。
料理をする、入浴する、パソコンやスマホを操作する。
人の生活は細かな動作を行う作業の上に成り立っています。
これら巧緻的な動作のリハビリが作業療法士の仕事です。
先ほど書いた通り作業療法士は国家資格です。
作業療法士の国家資格は大学や専門学校など指定の養成校で取ることができます。
つまり3~4年間学校に通う必要があります。
養成校では机上の勉強だけではなく、実習があります。
これは在学中に2カ月前後の実習を数回こなします。
実習は現場、つまり病院で実際に作業療法士の方に指導をもらいながら行います。
これらの実習および定期テストを合格した人のみ卒業することができます。
ただし養成校を卒業するだけでは国家資格はもらえません。
卒業することで得られるのは作業療法士の受験資格です。
作業療法士になるためには国家資格に合格しなければなりません。
国家資格は年に1回行われ、これに合格できなければ次の年まで国家試験浪人となります。
作業療法士の国家資格の合格率はおおむね8割前後です。
10人中8人前後は受かります。
作業療法士の年収は勤め先により微妙に異なります。
病院や介護施設、障害者施設など勤め先は様々です。
しかしながら概ね作業療法士の年収は日本の平均かそれを少し切るくらいでしょう。
作業療法士は資格が必要な仕事であり、そのため転職は比較的容易です。
ただし収入はそれほど多くないのも現状でしょう。
(独立したり本を執筆したりなどする場合はまた違うでしょうが・・・)
作業療法士の経済面についてだいたいのイメージとしては、
収入は平均的です。多くはありません。
おおむね年収400万円台です。
そのため結婚すれば共働きの可能性は高いでしょう。
作業療法士の収入の特徴として、一般企業と比べると初任給は高いですが昇給の程度が少ないことが挙げられます。
転職は比較的容易です。
そのため、女性の方で妊娠出産後も働きたい方には良い職種かもしれません。
残業は勤め先にもよりますが、世間のブラック企業と比べれば楽なほうでしょう。
中には残業がまったくない職場もけっこうあります。
福利厚生が充実しているところも多く、よっぽど変わった職場を選ばない限り、作業療法士の職場環境は一般企業と比べて良好でしょう。