応答の指さしについて
応答の指さしの通過率
応答の指さしは定型発達において1歳後半頃に獲得されます。
通過率としては1歳6か月~2歳頃までに70~90%に達する経過であり、この頃を過ぎても応答の指さしが困難である場合は要観察ないし発達の遅れが示唆されることが多いです。
解説
応答の指さしとは?
応答の指さしとは、例えば複数の動物が描かれてある絵本があって、ワンワンはどれ?」と聞かれて子供が犬の絵を指せるような行為です。
応答の指さしは文字通り他者の応答に対して指さしで答えることを意味します。
子供の発達における応答の指さしの位置づけ
指さしという行為は対人意識やコミュニケーション、その後の言語発達の土台となる重要な要素です。
指さしにはその意図によりいくつかの種類があり、応答の指さしは指さしの中でも最後のほうに獲得される比較的難しい指さしになります。
このため、応答の指さしの獲得をもって指さしの完成とされることが多いです。
応答の指さしはいつから?
日本版デンバー式発達スクリーニング検査など各種発達検査を参考にすると、応答の指さしは1歳後半頃に獲得されることが示唆されています。
この頃になると先述のような絵本の中から言われたもの指さすことができるようになっていきます(もちろん、その子がそもそも知っている言葉に限ります)。
また、応答の指さしを見る課題として典型的なものの1つが、身体部位の指さしです。
「目はどこ?」「お鼻どこ?」といった質問に対して自分の体の部分を指すことができはじめます。
補足記事
参考資料
『自閉症幼児における応答の指さしと言語獲得』(神戸大学学術成果リポジトリ)2020年7月2日検索
『1歳児における叙述の指さしと他者との共有経験理解との関連』(J-STAGE)2020年7月2日検索
『指さし行動の発達的意義』(J-STAGE)2020年7月2日検索
『1歳6か月児の健康診査』(奈良県)2021年9月25日検索