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子供にパイナップルはいつから?
子供にパイナップルは何歳頃から食べさせていいものなのでしょう?
パイナップルを食べると口周りがかゆくなるという話も聞きますし、食物アレルギーが心配な食材の1つと言えます。
パイナップルに限らずですが、現在の科学において食物アレルギーは解明されていない部分も多く、何歳からなら大丈夫といった明確な数字はありません。
そのためあくまで目安ですが、
パイナップルを食べさせるなら1歳~1歳半頃以降、初めは過熱した物を少量食べる程度が無難と考えられます。
解説
パイナップルの食物アレルギー
日本小児アレルギー学会によると、特定の食べ物の摂取時期を遅くすることで、アレルギーの発症を予防できる科学的根拠はないようです。
研究途中ではありますが、むしろピーナッツなどは早く食べさせたほうがリスクを下げられるといった報告もあります。
パイナップルもアレルギーが心配な食材の1つではありますが、アレルギーを発症していない子であれば食べる時期を極端に遅くする必要はないでしょう。
「アレルギーのリスクのある食材は、食べ始めを遅くするほうがいい」というのが一般的なイメージかと思います。
しかし何かを食べないようにする除去食は、アレルギーがすでにある子に行う方法であって、アレルギーを「予防する」方法ではありません。
極端に早すぎる摂取でなければ、子供の食事はいろいろな食材をバランスよく取り入れることが大切です。
離乳食にパイナップルは使っていいのか?
以上のように、パイナップルも他の食材と同様、過度に避けることなく食事に取り入れていい食材と言えます。
しかしながら、パイナップルはやや繊維質な食感であることから、子供の噛んだり飲み込んだりする力がある程度発達した後に摂取したほうがいいでしょう。
厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」によると、
1歳~1歳半頃は離乳食の完了期にあたり、この時期は歯で食材を潰す動きが徐々に見られ始めます。
このように、食材のレパートリーも増え、食材を自分で潰すことができはじめる離乳食完了期(1歳~1歳半)以降であれば、パイナップルを食べることも無難と考えられます。
パイナップルの食べさせ方
パイナップルは加熱したほうがいいのか?
パイナップルのアレルギーは、種類としては「口腔アレルギー症候群(OAS)」に該当します。
口腔アレルギー症候群は、加熱などの加工処理によって軽減されることもあります。
必ず加熱したほうがいいというわけではありませんが、心配な場合は加熱処理した物を食べてさせてみてもいいかもしれません。
生のパイナップルを買ってきて加熱処理してもいいでしょうし、パイナップルの缶詰は、すでに加熱処理されていることがほとんどなので缶詰を使ってみてもいいでしょう。
缶詰のパイナップルは子供に食べさせていいか?
缶詰のパイナップルはシロップで漬けられ、幼いお子さんには甘すぎる味付けになっていることが考えられます。
摂取量やその缶詰の甘さに応じて、シロップを洗い流すなどの配慮があるといいでしょう。
食べる時間帯は何時頃かいいか?
パイナップルに限らずですが、子供に何か初めての物を食べさせるなら、平日の日中がおすすめです。
万が一のときに医療機関を受診しやすいからです。
調理の仕方
他の果物と同様、摂取時はその子の咀嚼能力に合わせて適宜カットしたりすりつぶしたりします。
また上述のようにパイナップルの場合は過熱することも有意義でしょう。
まとめ
以上よりまとめです。
- パイナップルを食べさせる場合、離乳食完了期(1歳~1歳半)以降が目安です。
- 食物アレルギーは除去食で予防できるわけではありません。
- パイナップルのアレルギーの種類は、「口腔アレルギー症候群(OAS)」です。
- より無難に行いたい場合はパイナップルを加熱してみるといいでしょう。
- 缶詰の場合は糖分に気をつけます。
- 平日の日中など、万が一アレルギーになっても医療機関を受診しやすい時間帯に行うとより安心です。
口腔アレルギー症候群(OAS)について
最後に、口腔アレルギー症候群については以下でもう少し詳しくとりあげます。
参考資料
『授乳・離乳の支援ガイド(2019)』(厚生労働省)2020年2月25日検索
『授乳・離乳の支援ガイド(2007)』(厚生労働省)2020年7月25日検索
『小児の脆弱性の要因』(環境省)2018年4月30日検索
『1歳半児の咀嚼力と養育者の児への食事提供の実態』(厚生労働統計協会)2018年5月6日検索
『食物アレルギー』(厚生労働省)2020年7月21日検索
『食物アレルギー診療ガイドライン2016』(日本小児アレルギー学会)2020年7月21日検索