ピーナッツは何歳から?
卵、小麦、乳製品、蕎麦、これらと並んでアレルギーの面が何かと心配なピーナッツ。
ピーナッツ(落花生)って、何歳から食べさせていいものなのでしょう?
原則としては、アレルギーが心配な食品の摂取は医師の指示に従いましょう。
親がピーナッツアレルギーか否かなど、アレルギーのリスクはお子さんの生育歴や状況によって様々だからです。
また、すでに子供がアレルギーを発症している場合とそうでない場合は対応が異なります。
アレルギーが発症している場合もやはり基本は医師の指示に従いながら進めていきます。
以上を前提とした上で考えていきます。
あくまで1つの考えですが、
ピーナッツの摂取の年齢を遅らせても、アレルギーの発症を予防できない可能性が近年の研究でわかってきています。
以下、これらの根拠を。
ピーナッツの除去とアレルギーの発症の関係
ピーナッツのアレルギーの特徴としては、アレルギー症状を起こした場合にその症状が比較的重篤なことです。
そのためピーナッツの摂取には何かと気を遣いますよね。
アレルギーの対応として一般的に思い浮かぶのは除去食ですね。
つまり特定の食べ物を摂取しないようにする。
確かに除去している間はその食べ物でアレルギーを起こすことはないでしょう。
では、幼い時期に除去しておくことで、アレルギーになる確率を下げることはできるのでしょうか?
日本小児アレルギー学会をはじめ各種機関は
除去食にしてもアレルギーの発症を予防できるとは限らない、としています。
国立成育医療研究センターの調査によると、
離乳期にピーナッツを食べさせる地域(イスラエルなど)のほうが食べさせない地域(英米)よりもアレルギーが少ないそうです。
その他においても、むしろ乳児期からのピーナッツの摂取がアレルギーの発症を低くする結果になっている研究もあるようです。
離乳食とアレルギー
厚生労働省の「授乳・離乳支援ガイド」によると、
一般的には離乳食は6カ月前後くらいから開始し、1歳半頃に完了します。
この時期にピーナッツなどの食品を与えることは確かに勇気がいりますね。
医師と相談の下ならまだいいでしょうが、自己判断で無理にあげる必要はないと思います。
その一方で、
例えば1歳半や2歳頃にピーナッツを食べさせたら確実にアレルギーになるとも言えないでしょう。
先述のように、食物アレルギーの発症は、早く食べさせたら高まって、除去すればアレルギーにならないという単純な話ではないからです。
まとめ
以上のことからまとめです。
近年の研究から、除去食によって食べる時期を遅らせても、アレルギーにならないとは言い切れません。
状況によっては早めの摂取がアレルギーのリスクを減らす可能性もあります。
しかしながら、食物アレルギーについては、例えば家族の中にアレルギーの人がいるか否かなど、リスクの程度は個人で異なります。
このように考えると、
ピーナッツを食べさせる上で年齢にはあまりこだわりすぎず、医師に相談しながら決めていきましょう。
また、ピーナッツは固いので、子供が小さいうちは適宜すりつぶしたりしなど与え方は工夫しましょう。
ピーナッツに限ったことではないですが、
初めての食材を食べさせるなら平日の日中がおすすめです。
万が一アレルギーが発症した場合に、病院が開いている時間のほうが何かと安心だからです。
その他の記事
参考資料
『授乳・離乳の支援ガイド』(厚生労働省)2018年5月25日検索
『食物アレルギー』(厚生労働省)2018年5月25日検索
『食物アレルギー診察ガイドライン2016 第4章 予知と予防』(日本小児アレルギー学会)2018年5月25日検索
『離乳期早期の鶏卵摂取は鶏卵アレルギー発症を予防することを発見』(国立成育医療研究センター)2018年5月25日検索