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ポピュレーション・アプローチとは?
ポピュレーション・アプローチとは、認知症の有無に関わらず行う予防方法を指します。
例えばウォーキングは認知症の予防につながる活動ですが、ウォーキングをしている人全員が「認知症を予防したいために」ウォーキングをしているわけではないでしょう。別に認知症を意識せず、「好きで」ウォーキングを行っている場合もあります。
このように認知症予防とも趣味や生きがいの1つともとれるのがポピュレーション・アプローチです。
近年は病気になる前の取り組みがである予防医学の重要性も再認識されています。
このような予防医学という観点から見ると、ポピュレーション・アプローチは重要なアプローチと言えます。
以下、ポピュレーション・アプローチの詳しい種類を挙げていきます。
ポピュレーション・アプローチの種類と特徴
生きがい型
好きでやっている趣味が、結果として認知症予防につながっているというパターンです。
このため最も自発的かつ習慣化しやすいアプローチであると言えます。
しかしながら、そもそも認知症になりそうな人はこういった活動をしていないという実態もあります。
ゆえに、生きがい型の認知症予防は本当に認知症を予防してほしい人ほどやっていないというジレンマがあります。
目的型
認知症予防を意識して行う活動が、目的型のポピュレーション・アプローチです。
認知症の予防のためのしっかり意識して活動を行っている状態です。
目的型のポピュレーション・アプローチのメリットは、少ない社会資源で効率的に認知症予防ができる点です。
これはどういうことかと言うと、例えばスイミングなどの運動は認知症予防につながります。
しかしスイミングの活動自体は好きでやる人も認知症予防でやる人も同じサークルで話題を共有できます。
これであれば、認知症予防のために医療機関の活動だけを行うのではなく、他の社会資源も利用できます。
このように、目的型のポピュレーション・アプローチは社会に溶け込みやすい性質があります。
訓練型
目的型よりもさらに認知症予防に主眼をおいたものが訓練型のポピュレーション・アプローチです。
具体的には認知症予防になりうる計算ドリルやパズルを行ったりするものです。
訓練型の難点は、上記2つのポピュレーション・アプローチと比べると長期的な継続が難しい(要するに飽きやすい)点です。
参考資料
『認知症予防・支援マニュアル(改訂版)』(厚生労働省)2021年5月30日検索