陽性的中率・陰性的中率とは?
陽性的中率とは、その集団の中で疾患を見つけることができる確率です。
100人中1人が病気で、その1人を見つけることができる検査は陽性的中率100%の検査と言えます。
陰性的中率とは、その集団の中で疾患がない人、つまり陰性の人を見つけることができる確率です。
100人中1人が病気の場合、病気でない99人を陰性と判断できればその検査は陰性的中率100%となります。
陽性的中率と陰性的中率は単に表現を逆にしただけで、同じことを言っているように思えるかもしれません。
しかし実際はそうではなく、陽性的中率と陰性的中率は有病率によって変化します。
解説
陽性的中率・陰性的中率の求め方や計算式
陽性的中率および陰性的中率の計算式は以下のようになります。
「陽性的中率」=「真陽性」÷(「真陽性」+「偽陽性」)
「陰性的中率」=「真陰性」÷(「真陰性」+「偽陰性」)
「真陽性」とは疾患があって検査陽性となった、つまり正しく陽性となった人です。
「偽陽性」とは健康なのに陽性と出てしまった、検査が間違ってしまった人です。
「真陰性」とは、健康で検査結果も陰性となった、つまり正しく陰性が出た人です。
「偽陰性」とは、疾患があるのに検査結果が陰性となった、検査をすり抜けてしまった人です。
陽性的中率・陰性的中率と有病率の関係
冒頭で陽性的中率と陰性的中率は有病率によって変化すると書きました。
以下でこの点について触れていきます。
有病率とはその疾患がある人の割合です。
つまり平たく言えば
有病率とはその疾患がどのくらい珍しい病気かを表します。
おおむね有病率が小さいと、陽性的中率は下がります。
つまり珍しい病気であればあるほど、陽性的中率は下がってしまう傾向にあります。
これはなぜかと言うと、珍しい病気であればあるほど、検査を受けた人の中で疾患がない人の割合が増えます。
そして確立論として偽陽性が増え、計算の分母が大きくなってしまうためです。
このあたりは陽性的中率・陰性的中率とは別に、「感度」「特異度」といった概念が理解に役立ちます。
感度・特異度とは?
参考資料
『臨床検査の偽陽性と偽陰性について』(日本臨床検査医学会)2022年7月23日閲覧
『陽性的中率や陰性的中率とはどんな計算?有病率や感度特異度との違いをわかりやすく』(いちばんやさしい、医療統計)2022年7月23日閲覧
『感度と特異度の計算方法をわかりやすく!分割表からの求め方を解説!』(いちばんやさしい、医療統計)2022年7月23日閲覧