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思春期の女子の身体発達に伴う心の変化
女子の場合、思春期の身体発達に伴い抑うつ傾向や不安傾向が高くなる傾向があります。また早熟であることも関連が見られます。
思春期は心も身体も変化が著しい時期です。
そして身体の変化が、心に影響を与える可能性も考えられるでしょう。
思春期の身体変化が具体的に心にどのように影響するのかを見ていきます。
解説
発達段階と発達タイミング
思春期の心や身体の発達を考える上で、「発達段階」と「発達タイミング」という着眼点があります。
発達段階とは文字通り発達の段階です。
一方で、発達タイミングとは、同級生と比べて発達が早いか遅いかを指します。
思春期の身体の発達と、それに伴う心の変化を考える上では、単に発達段階だけ見るのではなく発達タイミングを考慮する必要があるでしょう。
発達段階による心への影響
女子の場合、思春期の身体発達に伴い抑うつ傾向や不安症状が高くなる傾向にあります。
思春期は主に中学生の時期が含まれますが、小学生から中学生になる環境の変化を差し引いても、このような傾向は見られるようです。
具体的な発達段階としては、初潮経験の6か月後から1年未満の時期に上記のような傾向が見られます。
発達タイミングによる心への影響
女子の場合、早熟であることは抑うつ傾向の高さと関連を認めます。
早熟な女子はそうでない女子より身体的満足度が低く、これが抑うつ傾向の高さにつながっていると考えられています。
思春期の身体の発達と心の影響
参考資料
石川満佐育(2020)『思春期の子どもをもつ保護者への支援―理論的背景とCOVID-19感染予防の状況下における対応―』(日本学校心理学会)2024年2月3日閲覧
斉藤誠一(1985)『思春期の身体発育と性役割意識の形成について』(一般社団法人 日本教育心理学会)2024年2月24日閲覧
向井隆代(2010)『思春期の身体的発達と心理的適応―発達段階および発達タイミングとの関連―』(日本カウンセリング学会)2024年2月24日閲覧