第二反抗期の対処法
思春期の子供の行動に関して、「親(大人)への反抗」と「攻撃的・反社会的行動」は分けて考えることが重要です。
これらは「反抗期の行動」と一括りにされがちですが、質的には異なるものと考えられています。
解説
親への反抗
第二反抗期の反抗は大人の中でも親に対して最も激しく表れる傾向があります。
そして子供の反抗は、大きくは「親に向かう反抗」と「親から離れる反抗」の2つがあると言えます。
「親に向かう反抗」とは口答えをするなどです。
「親から離れる反抗」とは親を無視する・話をしないなどです。
親への反抗はいずれも「放置」するのではなく、対等に話し合い不満や意見を洗い出す必要があります。
思春期の親子関係の衝突は、親と子の見解の不一致から生じる場合が多いとされています。
例えば親は「子供部屋を掃除してあげた」、子供は「勝手に部屋に入った」と考え衝突するようなケースです。
思春期の親子関係ではこういった見解の不一致を「対等な関係で」話し合いすり合わせていくことが大切です。
攻撃的・反社会的行動
攻撃的・反社会的行動としては、暴力行為・非行・いじめ加害行為などがあります。
攻撃的・反社会的行動は「反抗期」という理由で片づけてはいけません。
別の背景も考慮した積極的な指導・支援・介入が必要になるでしょう。
攻撃的・反社会的行動の理由は子供によって様々です。
反抗期とは別の悩みは心の傷かもしれませんし、家庭環境かもしれません。
しかしいずれにせよ放置せず大人が向き合っていくことが大切です。
また攻撃的・反社会的行動が非常に激しい場合は、発達障害や素行症など医療的な支援も視野に入れます。
その際は、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、養護教諭、特別支援教育コーディネーターなどによる心理教育的アセスメントが必要になるでしょう。
参考資料
石川満佐育(2020)『思春期の子どもをもつ保護者への支援―理論的背景とCOVID-19感染予防の状況下における対応―』(日本学校心理学会)2024年2月3日閲覧