思春期の子供を「見守る」こと
「見守る」とは単に放置することではなく、子供を支えるためにしっかりと日頃から子供の心に耳を傾け備えることを指します。
この「見守る」ことに対するイメージをしっかり親が持つことは、反抗期の子育てにおいて重要と言えるでしょう。
解説
「見守る」の悪い例
子育てに関して「見守る」という言葉をはき違えると、「放置」になってしまいます。
「わかったつもりになる」「表面的に理解した気になる」「何もしない」「触れない・働きかけない」「介入しない」といったことを「見守る」と表現してしまっては、問題を解決することはできないでしょう。
思春期の子育てにおいて確かに状況によっては「見守る」ということは大切です。
しかしその「見守る」という行為が具体的にどんな意味を持つのかを親がしっかり自覚する必要があります。
「見守る」とは?
- 子供の心の動きに意識を向ける
- 子供が必要としたときに、サポートできる親側の備えや余裕がある
- 子供の心にとって安全な場所を提供できている
例えば「見守る」とは上記のような状態を満たしていることと言えます。
これは言い換えると、親が子供にとって「安全基地」として機能している状態と言えるでしょう。
親の子離れ
それまで過保護であった親にとっては、「見守る」という行為は特にそのイメージをしっかり作っておかないと(親自身の)心配や不安につながるでしょう。
「見守る」とは子供の自立を促すために親がしっかりと安全基地になること。
そのような認識を持たなければ過干渉をやめることは難しいでしょう。
支援者が保護者に対して、あるいは夫婦間の話の中で「『見守る』って具体的にどういうこと?」といった話をすることは大切です。
ただ漠然と「見守りましょう」では、「放置」になってしまいますし親側も不安が残ります。
「見守る」とは具体的にどういった心持で何に備えるのか。
そういったことを言語化することは子供の支え方をわかりやすくしてくれます。
参考資料
石川満佐育(2020)『思春期の子どもをもつ保護者への支援―理論的背景とCOVID-19感染予防の状況下における対応―』(日本学校心理学会)2024年2月3日閲覧