Reyの聴覚言語性学習検査(RAVLT)とは?
Reyの聴覚言語性学習検査とは、言葉の記憶力をみる検査です。
「Ray Auditory Verbal Learning Test」の頭文字をとり「RAVLT」とも言われます。
検査の意義
「RAVLT」聴覚言語の記憶力を見る検査です。
つまり耳で聞いた言葉をいくつ記憶できるかをみる検査です。
近年、学習障害や読み書き障害といった言葉を世間でよく耳にするようになりました。
知能面としては問題がないのに、読み書きといった特定の学習になると苦手の範疇を超えて明らかに滞る。
こういった学習障害のお子さんの支援のためには、視覚や聴覚、記憶力など様々な側面の力を客観的に評価する必要が出てきます。
つまり、
その子が学習する際に「見て覚える」ことと「聞いて覚えること」のどっちが得意でどっちが苦手か。
こういった評価の際、聴覚言語の記憶力を見る検査である「RAVLT」は役に立ちます。
「RAVLT」はもともと大人に使う検査ではありますが、こういった背景からお子さんに実施されることも多々あります。
検査の実際
「RAVLT」の実施は主に3段階あります。
まずは「RAVLT」は指定された15の単語リスト(A)を検査者が読み上げ、対象者に覚えてもらいます。
読み終わった後に覚えているものをできるだけ言ってもらいます。
これを5回繰り返します。
続いて、別の単語リスト(B)を同様に1回行い、そのあとリストAで覚えているものを言ってもらいます。
別のことをしたあとでの記憶力を見ているわけです。
最後に、リストAの単語とダミーの単語が含まれたリストから、リストAに該当する単語を選んでもらいます。
おわりに
「RAVLT」は単語リストを読み上げるだけなので比較的実施が簡単な検査です。
また、採点も対象者が単語を覚えているか否かをチェックするだけなので容易と言えます。
「RAVLT」は、読み書き障害に関する検査である「改訂版小学生の読み書きスクリーニング検査(STRAW-R)」と合わせて実施される場合もあります。
その他の記事
参考資料
『“もの忘れ外来”を受診した高齢者の言語性記憶に関する研究』(J-STAGE)2020年3月8日検索
『未就学児における聴覚性言語性記憶の発達についての検討』(J-STAGE)2020年3月8日検索
『地域在住の高齢者のMMSEとRAVLTによる近時記憶に関する検討』(日本認知症学会)2020年3月8日検索