連想とは?
言葉の発達における「連想(れんそう)」とは、会話の一部に反応して話題が派生することで、相手の会話の意図から外れてしまう傾向のことです。
発話における連想の傾向は、2歳後半~3歳前半頃によく見られます。
子供の言葉の発達において特徴的な経過の1つと言えます。
解説
言葉の発達における「連想的な叙述」
言葉の発達における「連想」は、意味ネットワークが密接に関わります。
意味ネットワークとは言葉の意味でつながりを認知できることです。
「りんご」は「果物」であり、果物には他に「みかん」などがあります。
このように私達は言葉と言葉のつながりを認知できることで、より柔軟な言葉の力を持つことができています。
子供の未熟な会話の様子において特徴的なものの1つが、「連想」による少し逸れた応答です。
会話からある言葉や出来事を「連想」できることは、意味ネットワークの発達を示唆しています。
しかし意味ネットワークの発達が未熟な初期段階では、会話全体の流れまでは把握できず一部の言葉や出来事から連想してしまいます。
結果として相手の話す内容から逸れた話題になってしまいがちです。
意味ネットワークが形成される以前である2歳前半ではあまり「連想」による発話は見られません。
「連想」は3歳前後に見られ始め、4歳前後には減少していきます。
しかし会話の内容の難易度によっては4歳頃でも連想が見られる場合があります。
「連想」の例
例えば「冷蔵庫ってどんな物かな?」と聞いたとき、通常は「食べ物を冷やす物」など機能を答えることが妥当です。
しかし「冷蔵庫」という単語から「メロン入れる」など経験に即した表現を連想したりします。そしてその後はメロンの話ばかりになっていくなど、話題が逸れていきます。
このように「自己経験」や「連想」に縛られた少し文脈から逸れた発話は、一般的な「子供らしい会話」のイメージに合致するでしょう。
「現前事象」や「自己経験」・「連想」は子供の発話のおける初期の特徴と言えます。
幼児の話し方でよくある特徴一覧
参考資料
『質問―応答関係検査1―検査の作成とノーマルデータ―』(日本音声言語医学会)2023年11月13日閲覧
『質問―応答関係検査2―質的分析と会話能力の段階設定―』(日本音声言語医学会)2023年11月13日閲覧