アニメ、クレヨンしんちゃんの登場人物であるネネちゃん。
ネネちゃんの好きな遊びがリアルおままごとですね。
例えば家族の食卓を想定した場面なら、旦那さん仕事の状況や場合によっては浮気の話題で修羅場になったりとドラマのような設定の細かさ(笑)
その細かすぎる設定は見ている側からすると妙に大人びてておもしろいですね。
そんなギャグ的な要素が強い遊びですが、
実はリアルおままごとは小児発達学・教育学の側面から見ても非常に理に叶っているのです。
今日はネネちゃんのリアルおままごとについて考えます。
子供の成長は何が目安になるでしょう?
いろいろな面があると思います。
例えば認知面。例えば言葉の面。
これらは大雑把にまとめると知的機能と考えることができます。
知的機能の目安として最も有名なのがIQでしょう。
一般的な勉強は、知的機能の向上を促すのが目的に感じますね。
一方でIQさえ高ければ人生幸せなのかというとそうではないということもなんとなく思いますね。
人間関係を良好に保つ力。忍耐力。思いやり。自分に自信を持つこと。
IQだけでは測ることのできない様々な力が人生には必要です。
IQを高めるのではなく、IQで測定できないような力を促すことが長期的には豊かな人生を送れるのではないか。
そう考える人は多いでしょう。
「IQで測定できないような力を促すことが長期的には豊かな人生を送れるのではないか」
これを個人とイメージではなく統計的に証明したのがペリー就学前プロジェクト。
ペリー就学前プロジェクトの教訓は、一定期間の勉強はIQを短期的には向上させるが長続きはしないこと。
しかし勉強をする過程で身に着く忍耐力や想像力、論理的思考や自制心は生涯にわたって持続するということです。
補足ページ:ペリー就学前プロジェクトとは?
海外の効果的な教育法に心の道具カリキュラムというのがあります。
心の道具カリキュラムは先述したような学力以外の人生に大切な力を伸ばすことで有名なカリキュラムです。
もっと詳しく:勉強より有効な子供との遊び方~心の道具カリキュラムより~
そんな心の道具カリキュラムの中のひとつに、詳細なごっこ遊びがあります。
役割設定を細かく決めて、
先生や友達と台本を作り、
みんなでそのシチュエーションを演じる。
これってリアルおままごとにそっくりだと思いませんか?
海外の有名な教育プログラムでリアルおままごとそっくりなことが行われているのです。
ままごとは何歳くらいからできるのか?
ままごとのクオリティーにもよりますが、
ごく簡単なままごと遊びができ始めるのが2~3歳頃です。
この頃は親や周りの大人がその子のしたいままごとに合わせてあげる感じ。
やや子供の一方的な感じは否めない。
これが次第に相互性が増していきます。
そして子供同士で譲歩し合ったり協調し合ったりするままごとにつながります。
子供同士、複数名でままごとができはじめるのは5~6歳頃です。
保育園・幼稚園の年中~年長さんの時期になります。
しんちゃん達は年中さんの設定なので、発達学的には妥当なんですね。
ままごと遊びができ始めたら、
リアルおままごとのような詳細なごっこ遊びをすると子供の生きる力を促します。
リアルおままごとはその設定の詳細から想像力が鍛えられます。
また、複数名でストーリーに沿って役割を演じるため、協調性や周囲を見る力も養われます。
ギャグとして見られがちなリアルおままごとですが、
実はネネちゃん達は非常に有意義な遊びをしていたのですね。
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