一口に作業療法士(OT)といっても扱う分野は広く、自分がどの分野に就職するかで対象の患者さんもすることも変わってきます。
作業療法士の分野の一つに小児があります。
文字通り子供さんを対象にする分野ですね。
今日は小児OTについて見ていきます。
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小児分野の作業療法士は文字通り子供さんが対象となりますが、場合によっては大人の方を並行して担当することもあります。
これは職場が総合病院だったり施設であったりする場合です。
総合病院はわかりやすいですね。
要するに小児科とそれ以外の科があるので結果として大人も担当することになります。
そしてもう一つのパターンが施設です。
小児分野の場合、障害者施設を併設している職場は少なくありません。
施設の場合は、外来リハビリとして小児分野を行いつつ、
施設で生活するお子さんや大人の方のリハビリも行います。
「小児分野のOTになりたい」と思った場合、どのような選択肢があるでしょう。
1つは大きな総合病院に勤めて小児科に配属されるパターン。
しかし配属というのは必ずしも自分の好きなようになるわけではないので、確実とは言い難いです。
お給料はそれなりでしょうが、成人の病棟で何年も勤務することも充分ありえます。
もう1つは小児外来のみの職場に就職するパターン。
こちらは100%お子さんを対象にできるでしょう。
ただし、お給料が病院と比べると安くなる傾向があります。
そして小児外来と施設が併設された職場に就職するパターン。
外来としてお子さんをみつつ、脳性麻痺などの大人の方のリハビリを並行します。
お給料は上記2つの中間くらい。福利厚生が良い場合が多いのもポイントです。
最後が保育園など医療現場以外に努めるパターンです。
こちらはリハビリではなくあくまで障害者療育という形になります。
お給料が最も安くなりやすいパターンです。
小児OTが扱う疾患はどのようなものでしょう?
まずは発達障害。
自閉症やADHDなどです。
続いて、知的障害。
知的な遅れから身体動作に不器用さがみられるパターンです。
さらに、脳性麻痺などの重症心身障害。
車椅子の調整や食事動作の指導なども入ってきます。
その他にダウン症など様々な障害が対象となります。
小児OTがそれ以外の分野のOTと違うのはやはり子供を相手にしているという点です。
子供の心情を考え、時には一緒にはしゃぎ、時には指導者として叱る。
子供やその状況に合わせてテンションを上げ下げできるある意味「ノリの良さ」が必要になります。
また、小児OTになるとは育児中の親御さんとも関わるということです。
親御さんの悩みや相談に親身に付き合いつつ、時として雑談などもテンポ良くこなせるコミュニケーション能力が必要になります。
最近は学校や保育園で「モンスターペアレント」という言葉が出ていますね。
リハビリ分野も例外ではなく、そのような「クレームが多いお母さん」に対応できるメンタルも小児OTには必要です。
小児現場というものは職場によって異なるものの、
一般の病院にと比べてお給料は安いが福利厚生が良いというのがよくある傾向です。
ただし小児分野でもバリバリやっているところは別ですが。
いずれにせよ、お子さん相手の仕事なので柔らかい人柄の人が多い職場でもあります。
産休・育休など子育てへの理解が得られる職場が多いのも特徴です。
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